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2009年11月 4日 (水)

脳症、心筋炎

2009年11月4日 晴れ
冷え込んでいます。

さて、新型インフルエンザ流行に伴い、残念なことに小児の死亡例が報道されることが多くなってきました。懸命の治療にも関わらず亡くなってしまった子供たちと、その家族の方々に対し衷心より哀悼の意を表します。

さて、ここまで我が国での新型インフルエンザに関した死亡例は約40例程度、感染者は400万人程度と推定されることから、感染者10万人に1人程度の死亡率とされます。これは、実をいうと『恐ろしく少ない』数字です。世界各国と比較すると、5分の1から10分の1程度の値です。何故だかは解りませんが、通常の季節性インフルエンザよりも少ない数字であると思われます。

日本の医療システムなどの影響か?キチンと治療されて、亡くなる率も低いのであろうと考えられます。もちろん、この中の治療というのは、ノイラミニダーゼ阻害剤を早めに使うということだけを表しているつもりではありません。呼吸障害のきた小児などをキチンと治療できたりする補助療法も発達しているのです。いままでの情報から考えて、ひょっとすると40代、50代の感染者に発症する呼吸障害と、幼児に発症する呼吸障害は、その機序が異なるのか?と考えるようになりました。

一部の学者の方々が紹介される、成人での3から5病日に発症する呼吸障害は死亡率が高いようで、肺の間質障害が基礎にあるのかもしれません?(私見です!)これに対しては、ひょっとするとノイラミニダーゼ阻害剤が早期に必要なのかもしれません....。

ただ、小児に発症している呼吸障害は、比較的軽症の気管支喘息を基礎にもっている児が多く、その呼吸障害の原因は粘稠な喀痰が気道を閉塞することであるということが、どうもわかってきました。そして、発症も『あっというま』であり、数日発症までかかる成人例とはおそらく違う病態をみているのでは?という気がします。これらの小児の呼吸障害はキチンと治療できれば『そこまで怖くないのでは?』という気がします。そして、急速な発症であり、ノイラミニダーゼ阻害剤はおそらく無効であろうとも推定されます。

報道でよく流される幼児の死亡例は発症後数時間の経過であることもあり、その多くは重症の脳症や心筋炎であろうと考えます。こういったケースは残念ながら、発症後はなかなか救命することは難しいかもしれません。そしてノイラミニダーゼ阻害剤も、おそらくは無効であり、早期に発見して集中治療を行うことが発症後に重要となります。

新型インフルエンザのパンデミックワクチンの有効率はどの程度か?これはわかりませんが、通常の季節性インフルエンザワクチンが、そのシーズンの流行株を予想して作られていることを考えると、パンデミックワクチンは『現在流行している株』を不活化して作られていることから、有効性は高いと推定されます。このワクチンを広く小児に接種すれば、ひょっとすると脳症や心筋炎などの非常にラッシュな経過の児を減らすことができるのではないかと考えてしまいます。

今回の新型インフルエンザは高齢者に感染することは非常に稀であり、重症化することも非常に少ないとされます。もちろん感染しないことに勝る手だてはありませんが、成人や高齢者が感染した場合はノイラミニダーゼ阻害剤で早期に治療し、小児はワクチンで守る。という手もあったのでは?などと...あくまで私見ですが...愚考します。

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