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2009年7月22日 (水)

グリーンニューディール政策

2009年7月22日 雨のち晴れ
残念ながら日食の時刻は厚い雲に覆われ観察は不可能でした。

オバマ大統領は「もはやガソリンをがぶ飲みするようなクルマの時代は終わった。しかし、アメリカには自動車は必要だし、新しい時代にふさわしい自動車を必ず生み出すだろう」と述べているそうです。アメリカはこれまで低炭素社会の構築というより、自国の利益追求のための行動をとっていました。

しかし、大統領が替わると、コレまでの方針を転換。石油がぶ飲みから環境性能を重視した製品を生み出すことで未曾有の大恐慌を乗り切ろうとする方向へ舵を大きくきっています。

100年に1度の危機がもたらす 新産業革命とライフスタイル変革

<以下、抜粋>
『オバマ大統領は、GM、クライスラーについて救済はするものの、合理化やコスト削減だけでなく“低炭素社会”にふさわしいクルマづくりを期待するとし、年に4%ずつ燃費効率を改善することなどを求めている。10年前後で日本車の燃費効率に追いつくようハッパをかけているのだ。

 そればかりでない。最近は“アメリカ新幹線構想”なども打ち出してきた。長距離輸送に鉄道の活用を本格的に考えようというのだ。アメリカは「飛行機とクルマの国」という印象が強かったのだが、もし新幹線網を本気でつくるとなれば、国民のライフスタイルまで変わってくるだろう。』
<抜粋終わり>

環境の分野では現在のところ日本が技術的にリードしています。しかし、アメリカが本気になって、開発を続けたならば、数年で追いつかれるでしょう。しかし、それが地球を救うことになるのかもしれません。

以下、記事の全文を引用しておきます。

100年に1度の危機がもたらす 新産業革命とライフスタイル変革
ジャーナリスト=嶌 信彦
新しい自動車の時代に

 にわかに電気自動車が脚光を浴びている。アメリカのゼネラル・モーターズ(GM)、クライスラーが一時的に破綻、国費の投入で救済することになったうえ、オバマ大統領が「もはやガソリンをがぶ飲みするようなクルマの時代は終わった。しかし、アメリカには自動車は必要だし、新しい時代にふさわしい自動車を必ず生み出すだろう」などと述べていることが追い風となっている。

 “大型車こそアメリカのクルマ”と信じていたアメリカ国民も、原油価格高騰の趨勢(すうせい)から燃費効率の悪い大型のアメリカ車をだんだん敬遠し始めた。小型、中型車ながら燃費効率が圧倒的に良い日本車は、1980年代後半からぐんぐんとシェアを伸ばしていたが、さらに電気とガソリンを組み合わせたハイブリッド車が登場した。ハイブリッド車に乗る方が、“環境を意識したライフスタイル”とみられ、アメリカ市場の流れもかつての大型車信奉から小型車やハイブリッド車へ移っていったのである。

 オバマ大統領は、GM、クライスラーについて救済はするものの、合理化やコスト削減だけでなく“低炭素社会”にふさわしいクルマづくりを期待するとし、年に4%ずつ燃費効率を改善することなどを求めている。10年前後で日本車の燃費効率に追いつくようハッパをかけているのだ。

 そればかりでない。最近は“アメリカ新幹線構想”なども打ち出してきた。長距離輸送に鉄道の活用を本格的に考えようというのだ。アメリカは「飛行機とクルマの国」という印象が強かったのだが、もし新幹線網を本気でつくるとなれば、国民のライフスタイルまで変わってくるだろう。

低炭素・電気自動車が主流に

 20世紀は、17〜18世紀の産業革命以後、石油や石炭など炭素エネルギーを活力源として近代的な工業国家や快適な市民生活を実現してきた。しかしその代償として、地球上のCO2が増大し気候変動まで起こす要因となってきた。そこでオバマ大統領は、「21世紀は低炭素社会を目指す」と宣言し、自動車だけでなく電力も2025年には、自然再生エネルギーの割合を25%まで増やすとしている。家屋施設にいたっては、毎年100万戸に冷暖房使用を抑制できるよう断熱材を活用したいなどの構想も打ち出している。そして2050年までに地球の温度を産業革命以前より2℃低くすることを、イタリアで開かれた先の主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)で申し合わせた。

 そうした低炭素社会実現のシンボルが、アメリカの産業の柱だった自動車業界の構造改革なのである。先行しているのは、スタート時に電気を使い、ある程度走り出してから効率良くガソリンを使うハイブリッド車だ。低燃費車として現在タクシーなどで導入されているLPG自動車で、リッター当たりの走行距離は数kmだが、ハイブリッド車だと15〜30km走れるという。一方、日産自動車や三菱自動車は一気に電気自動車で勝負しようとしている。ただ電気自動車の今の弱点は、電気を蓄える蓄電技術がまだまだ未熟なことで、数百kmを走り続けられるようになるには、さらなる技術開発が必要である。また、電気を充電するスタンド、家でコンセントから充電するプラグインなど、エネルギー供給のインフラ基盤が整っていないことも問題だ。

電池技術が大きなカギに

 現在、私たちが日常的に目にする電気自動車といえば、遊園地やゴルフ場のカートだろう。ゴルフ場を走り回る位の電気は簡単に充電できるが、長距離輸送に耐える電気自動車となるとそう簡単ではない。三菱自動車がこの夏から予約を開始する電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」は1回の充電で走れる距離はせいぜい160km程度といい、フル充電するには家庭用200V電源で約7時間、家庭用100V電源で約14時間かかるらしい。そうなると電気自動車の当面の使用範囲は買物など近所の乗車ということになり、長距離の自動車旅行には不向きということになる。しかも価格は、政府の補助金などを使っても300万円台前後というから、“CO2を出さないクルマ”といってもなかなか手が出にくいことも実情なのだ。

 ところが、アメリカの電気自動車の動きを調べてみると、デトロイトなど自動車の町だけでなく、シリコンバレーなどベンチャーを輩出する地域で、電気自動車のベンチャー企業が続々と登場している。そしてそれらの企業による時速170kmを出すクルマや、前輪は2輪だが後輪は1輪という奇抜なデザインのクルマなど、面白いクルマが次々とできているという。ガソリンエンジン自動車はボンネットを開けるとエンジンモーターとその関連部品が一杯詰まっているが、電気モーターになると部品点数は3分の1以上減るといわれ、電気モーターをホイール部分に入れることもできるらしい。このため、自動車の素材、自動車のデザインが大きく変わってくるのも必然だといえるだろう。

 こうした電気自動車を巡って各社が目の色を変えているのは電池技術だ。とくに電池寿命や品質を考えるとリチウムイオン電池が今後の主流になるとみて、早くもリチウム資源の争奪も各国の間で始まっている。また太陽電池技術に力点を置くところも少なくない。今後の流れを考えると電機メーカーが自動車をつくる時代が来ることも十分に考えられる。

都市もライフスタイルも変化の時代へ

 最近の若い世代はクルマに対しあまり好奇心を示さないという。かつての若者は何といっても欲しいものはクルマだったし、そのスタイルを常に気にしていた。そうしたクルマに興味を持つ若者が無数にいたから、新車が出るたびに話題となったものだ。その若者たちがクルマに興味を持たなくなれば、自動車業界の先行きまで暗くなってしまう。それだけに“100年に1度の危機”を逆にチャンスととらえ、時代のニーズに合った先進的な環境配慮車の登場が期待される。ハイブリッド車、電気自動車、ゆくゆくは水素を活用した燃料電池自動車などが登場して自動車が多様化していけば、その素材、重量、デザイン、価格などにも大幅に変化が出てくることは間違いなさそうだ。そうなると、自動車の用途や使い方も大きく変化する可能性がある訳で、いずれ都市のあり方、ライフスタイルのあり方まで影響を及ぼしてくることになろう。

 以前にも書いたが、今回アメリカの“グリーン・ニューディール”政策は、1930年代の公共事業を中心とした景気刺激、需要喚起の政策の側面も持つが、その狙いの中心は“グリーン”、つまりは低炭素社会を目指した産業構造改革にあるとみた方が良さそうだ。これまでアメリカは石炭、石油をテコに工業国家、近代生活国家、近代的ライフスタイルを築いてきた。しかし今後は低炭素社会という大きな目標の中でどのような“産業革命”、ライフスタイル、都市再生のあり方などを考えてゆくか、という時代に突入することになろう。

 実際、日本でも高齢化社会に突入し、地方の市町村に限界集落が目立ったり、都市への集中で逆に交通渋滞が激化してくるにつれ、鉄道や、富山市内を走る「富山ライトレール」のような路面電車などの交通手段が見直され始めている。実際、東京、大宮、立川、名古屋、大阪などで再び“駅中心”の再開発や駅を拠点とした病院、幼保施設、ワンストップサービス(住民票の発行など)、交番の設置、スーパーなどショッピング施設、レストランなどの設置が徐々に増えている。

 また、イタリアではスローフード・ブームを発端としてスローライフが流行り、それは都市の交通にも影響を及ぼしている。例えば最近では市の中心から数kmまでしかクルマは市街地に入れず、中心部に入れるのは10人乗り以上の公共の乗り物や自転車に限るといったクルマの使い方にまで新しい運動が起こり、ヨーロッパ全体に広がりつつある。

 おそらく、貧困国や新興国はかつての日本のように近代的生活を追及するので、モータリゼーションの波はまだまだ続くだろう。現に2009年に入って、乗用車の販売台数は中国が世界一になっている。

 しかし、先進国や中産階級が多数を占める成熟国家になると、本当に欲しいモノはもはやほとんどなく、そのライフスタイルはシンプルで健康志向、環境配慮、老後の生活や教育、医療の充実といったサービス分野にニーズが移り変わってゆくのだろう。

 100年に1度の経済危機の本質は、むしろ産業構造の改革、“21世紀型産業革命”とライフスタイル革命にあるとみた方が、時代の流れや本質をつかむことになるのではなかろうか。

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