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2009年7月 8日 (水)

薬物乱用

2009年7月8日 雨のち曇り
エアコンなしではとても仕事ができません。

渡辺淳一氏の書いた『無影灯』という小説があります。ある大学の整形外科講師だった直江は、なぜか大学での立身出世を捨て個人病院の医師となります。敏腕で、そして影をもつ彼に看護師倫子は惹かれてゆきます。酒と女に溺れつつどこか冷めた直江は若年で発症した悪性の多発性骨髄腫という病魔に侵されていました。医師である直江は自分で疼痛管理をしていました。使用した薬剤はモルヒネ。ある日、直江は湖へ入水自殺し、倫子は直江の児を身ごもりました。というようなあらすじであったと思います。

マイケル•ジャクソン氏急死の報に引き続き流れる、疼痛管理のためのプロポフォール使用の情報。これを聞くと、渡辺淳一氏の『無影灯』を思い出しました。

マイケル•ジャクソン氏は多くの皮膚移植を受けていたとの情報があります。漫画ブラックジャックのように、肌の色の違う部分があったとも聞かされています。手術の跡が痛く、強い鎮痛剤を使用し始めたとも....。

マイケル・ジャクソン、静注薬物乱用状態だった?

<以下、引用>
『マイケル・ジャクソン、静注薬物乱用状態だった?

ロサンゼルス(CNN) 6月に急死した人気ポップ歌手マイケル・ジャクソンさんの死因を調べている関係者2人が7日、CNNに対し、ジャクソンさんが静脈注射薬物乱用者だった可能性があると明らかにした。

死因捜査にあたる関係者の1人によると、倒れたジャクソンさんが見つかった際、両腕に多くの斑点があり、静脈がぼろぼろ状態だったという。これは、静注薬物使用者に見られる特徴だと指摘している。

また、別の関係者は、ジャクソンさんが倒れた住宅内から処方薬の瓶が多数見つかったと述べている。その多くが、商品名「ディプリバン」として知られる鎮痛薬「プロポフォール」のものだったという。この薬剤は全身麻酔にも使われる強力な鎮痛作用があり、静脈注射で体内に取り入れる。

ジャクソンさんの腕に、静注の跡とみられる斑点が多くあったこと、静注によって摂取する鎮痛剤の瓶が多数あったことから、静注薬物乱用状態だった可能性が高まっている。

ジャクソンさんの死因は現在調査中で、薬物の摂取状態などの検査結果は、まだ明らかになっていない。』
<引用終わり>

華やかな表の顔と、裏で痛みに苦しみ鎮痛剤鎮静剤を使用する一面。辛かったでしょうね。


ちなみに、プロポフォールに関して。
プロポフォール(日本での商品名は『ディプリバン』『プロポフォール』など)は全身麻酔導入時に導入薬として使用することがあります。用量依存的に鎮静作用が出現するため使用しやすい薬です。副作用としては循環抑制作用が強く、血圧低下がよくみられます。人工呼吸器などを使用する際に、長時間の鎮静に使用することもあり、特にICUで管理されている患者さんには使用されることが多いといえます。基本的には、呼吸を管理できる状況で使用します。(つまり、気管内挿管してということ...)
このような薬ですが、鎮痛作用はあまり強くなく、疼痛の管理は別にしなければならないことが多いといえます。

CNNのニュースでは鎮痛剤としてプロポフォールを使用していたとの記述がみられますが、そうではなくどちらかというと、鎮静作用により『眠る』ことを望んでいたのでは?と感じます。

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