« 脅威 | トップページ | 新型インフルエンザA/H1N1への対応 »

2009年5月26日 (火)

なぜ、蔓延しないのか?

2009年5月26日 晴れ
やや雲の多い一日でした。雨は降らず、蒸し蒸しして暑かった。

さて、高病原性鳥インフルエンザH5N1のお話し。(現在流行中の新型インフルエンザA/H1N1とは異なります)

これだけの数、鳥に蔓延し、鳥からヒトへの感染がみられ、密接に関係するヒト→ヒトへの感染は確認されているが、大規模なパンデミックに発展しないのは、何故か?その一つの答えになるでしょう。

鳥インフルエンザウイルスにとってヒトの鼻腔は寒すぎる
魚拓

<以下、引用>
『鳥インフルエンザウイルスにとってヒトの鼻腔は寒すぎる

 鳥インフルエンザ(H5N1)ウイルスにとって、ヒトの鼻腔内は温度が低すぎることが明らかにされた。このウイルス株がこれまでヒトの間で拡大しにくかったのはそのためではないかと科学者らが報告している。

 英インペリアル・カレッジ・ロンドンおよび米ノースカロライナ大学の研究グループによると、鳥インフルエンザウイルスは40℃前後の鳥の消化管内で増殖するが、通常ヒトへの最初の感染部位である鼻腔内の温度は約32℃である。実験の結果、この低温の環境では鳥インフルエンザ株は成長および増殖することができず、近辺の細胞を効率的に死滅させることもできないことが示されたという。

 また、研究チームがヒトインフルエンザウイルスに鳥インフルエンザ株由来の蛋白(たんぱく)を追加して特殊な突然変異ウイルスを作製したところ、この株も32℃では生存および成長が困難であった。このことから、鳥インフルエンザウイルスがヒトの鼻腔に容易に感染するには少なくとも2回以上の変異が必要であることが示されるという。この知見は、オンライン医学誌「PLoS Pathogens(病原体)」5月15日号に掲載された。

 「鳥インフルエンザウイルスは常にどこにでも存在するが、パンデミック(世界的流行)を引き起こすのは一定の変化を経た場合に限られる」と、著者の一人であるインペリアル・カレッジ・ロンドンのWendy Barclay氏は述べている。今回の研究は、インフルエンザウイルスがヒトに感染するために必要な変異について重要な手がかりを示すものであり、パンデミックを生じるウイルスを特定するのに役立つものだという。なお、鳥インフルエンザウイルスは、現在脅威をもたらしている新型インフルエンザ(ブタswine由来インフルエンザA/H1N1)ウイルスとは異なる。

(HealthDay News 5月15日)』
<引用終わり>

鳥の体温は一般にヒトよりも高いです。ヒトの深部体温は36から37℃程度。鳥の消化管は40℃に及びます。それに対して、侵入門戸となる鼻腔内の温度は32℃。これが、侵入を妨げる防御壁となっていたとしても論理的におかしくはありません。また、H5N1は迅速診断キットにおいて、鼻腔からの検体には反応しにくい特性もあります。その理由は、H5N1は鼻腔、咽頭では増殖しにくく、気管支•肺などで増殖するからだとされています。ウィルスの特徴として、低温での増殖が抑制されるとすれば、これも納得がいくところでもあります。

H5N1が現在の毒性のまま、低温でも活発に増殖する能力をつけたとき、それが恐ろしいといえます。

|

« 脅威 | トップページ | 新型インフルエンザA/H1N1への対応 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101068/45139272

この記事へのトラックバック一覧です: なぜ、蔓延しないのか?:

« 脅威 | トップページ | 新型インフルエンザA/H1N1への対応 »