« 罪と罰...。 | トップページ | 1918年の経験 »

2009年5月12日 (火)

新型インフルエンザの致死率について

2009年5月12日 晴れ
気温はグングン上昇。風のない室内では汗が吹き出ました。

周辺ではインフルエンザBが流行中。今日も2人程、診断しています。季節性インフルエンザに対しては、タミフルなどのノイラミニダーゼ阻害剤は使用しない方針でやってます。ただ、65歳以上の高齢者、心肺に併存症のあるかたはこのかぎりではありません。

さて、新型インフルエンザによる死亡率が、概算で示されました。

致死率0.4%、スペイン風邪下回る=新型インフル-WHOチーム 2009年5月12日(火)19時9分配信 時事通信
魚拓

<以下引用>
『致死率0.4%、スペイン風邪下回る=新型インフル-WHOチーム
2009年5月12日(火)19時9分配信 時事通信

 新型インフルエンザの「震源地」となったメキシコの4月末までの患者数は2万3000人、致死率は0.4%と推定されると、英ロンドン大を中心とする世界保健機関(WHO)の研究チームが12日、米科学誌サイエンス電子版に発表した。
 1918~19年に世界的に大流行したスペイン風邪(新型と同じH1N1型、死者約4000万人)は致死率が2%程度と推定され、これを大幅に下回るが、57~58年のアジア風邪(H2N2型、死者約200万人)の致死率0.5%程度に匹敵する。感染力は季節性のインフルエンザよりかなり強いという。
 研究チームは、まだ不確定要素が多いとして、各国当局が正確な情報収集に努めるとともに、これから秋冬の流行期を迎える南半球の状況を監視する必要性を指摘している。
 メキシコでは4月末までの死者(感染疑い例含む)が101人と発表されたが、高齢者を中心に感染者が十分把握されていない可能性が高い。研究チームはこのため、メキシコへ航空機で旅行した人数とこのうちの感染者数などに基づき、旅行者とメキシコ人の感染リスクが同じと仮定して計算した。
 一方、メキシコ湾に面したベラクルス州の村、ラグロリアでは、感染者が616人と非常に多かったことから、詳しく調査した。人から人へ感染するのにかかる時間から検討すると、2月15日ごろに最初の感染者が出現し、1人の感染者からうつる人数は1.4~1.6人と推定された。』
<引用終わり>

医療水準の違うメキシコのデータを使用したあくまで概算ですが...0.4%ということです。鳥から直接感染したH5N1の致死率は60%を超えるといわれていますので、比較すると明らかに弱毒でしょう。しかし、日本での季節性インフルエンザによる死亡率は0.05%とされていますので、約10倍となります。

感染力と毒性を一緒に論じることはできませんが、若い世代での感染力はかなりのものと思われます。これから、感染爆発がおこらなければよいが...と案じるところです。

ただ、新型インフルエンザは見方を変えると、おそらく数年のうちに、地球上のかなりのヒトが罹患してしまうものであり感染の規模が大きくなれば、封じ込め政策よりも『いかに罹患した方々を救うか?』という面に重要性が移ってくると思われます。

現在の日本の医療レベルをもってすれば、救える方々は少なくないはずです。

|

« 罪と罰...。 | トップページ | 1918年の経験 »

コメント

先生、ご無沙汰しております。お元気でいらっしゃいますか。

ずっとブログ更新がなかったので、随分心配しました。

おっしゃるとおり、今回のトンフルに関してはこれからいかに治療するかが問われることになりますね。この冬はFlu Aが検出されたら即タミフルなんて傾向が強くなりそうです。

水際作戦は今後起こりうる強毒性ウイルス流行阻止の対応として重要で、SARSとこの度のトンフルは良きシミュレーションになったと思われます。ただマスコミの対応がいただけないですね。発症者の詳細や収容先の病院など公表する意味がわかりません。

投稿: クーデルムーデル | 2009年5月13日 (水) 11時36分

クーデルムーデルさま

こんばんは
お久しぶりです。

今回の新型インフルエンザの水際作戦は、これまで成果をあげてきたと思います。これで、第1波はなんとか大きな被害を出さずにすり抜けることができるのでは?と考えていますが、今後、かならず来る第2波は毒性が変化している可能性もあり、Pandemicとなったときの対応を充分に考慮する必要があると感じます。

どのようにして、新型インフルエンザの患者さんを、一般の患者さんに感染させないように収容し、治療するか?などを考えておかないといけないでしょうね...。(次のエントリーでとりあげました)

マスコミの対応は相変わらずズレているところがありますね...。収容先の病院を公表することが、どれだけのダメージを与えるか?少し考えると、理解できると思うのですが...。

話は変わりますが、日児誌の論文。読ませていただきました。(o^-^o)

投稿: いなか小児科医 | 2009年5月14日 (木) 00時40分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101068/44992194

この記事へのトラックバック一覧です: 新型インフルエンザの致死率について:

« 罪と罰...。 | トップページ | 1918年の経験 »