« 新型インフルエンザの致死率について | トップページ | 理想と現実 »

2009年5月14日 (木)

1918年の経験

2009年5月13日 晴れ
昨日の雨で、湿度は急上昇。気温もグングン上昇して、暑い!一日です。

さて、1918年といえば、その当時の新型インフルエンザである通称:スペイン風邪が流行し始めた年でした。イギリスにおける、その当時のインフルエンザおよび肺炎での致死率を週ごとに追ったグラフを4月30日にNewYorkTimesが掲載しています。

The 1918 pandemic
魚拓

これをみると、スペイン風邪では大きな3つの流行の波があったようです。最初の波での致死率は0.5%程度で非常に強い感染力がみられたとされています。そして、10月から12月にかけての第2波では致死率は2.5%と5倍に上昇しています。その間にひょっとすると、スペイン風邪ウイルスの遺伝子的変異があったのかもしれません。

今回の新型インフルエンザに符合させてみると...。第1波は奇妙なくらいに特徴が似ています。秋に起こると思われる、第2段に備えなければならないでしょう。

ところで、新型インフルエンザに関してのニュースでは検疫強化の部分がクローズアップされてきていますが...。このような、非常に感染力の強いウイルスに対して、水際での阻止はいつか破られるでしょう。サーモグラフィーでの体温監視が頻繁にテレビで露出されていますが、これを使用して高体温のかたを捕捉できる確率は約0.2%であるとされています。(驚)つまり、1000人のうち998人は見逃してしまうようです。

検疫官の防護衣は、本当は患者さんと相対するごとに替えるべきとのことですが、そのようなことはできず...結果として、防護衣についたウイルスにより感染を拡大してしまう可能性も否定はできません。

季節性インフルエンザでもいえることですが、インフルエンザにおいて一番弱いのは、高齢の方々、そして心肺に問題を抱えた方は、やはり、非常に弱いとされています。感染爆発が起こり、大量に発生した患者さんを、どのように一般の入院患者さんに感染させずに収容するか?これが、問題になりますし、どのようにして有効な医療を多くの新型インフルエンザ患者さんたちに提供して行くのか?これがこれからの一番重要な問題となるでしょう。

ある程度の感染拡大があったならば、検疫強化に注ぐ資源を、患者さんに対する医療を提供する側に、シフトさせなければ上手くいかないと考えます。

|

« 新型インフルエンザの致死率について | トップページ | 理想と現実 »

コメント

death per thousandですから%ではなく‰では?

投稿: 僻地外科医 | 2009年5月16日 (土) 06時22分

こんばんは
僻地外科医さま

コメントをいただきありがとうございます。

>death per thousandですから%ではなく‰では?

そうですね、図をみますと、第1波時点での最高が、5/1000=5‰です。コレを勝手に単位を替えてしまったのがいけないんですが、0.5%と読み替えてしまいました。また、第2波の最高は25‰ですが、コレを2.5%と読み替えて文中に掲載しました。

本来ならば、5‰、25‰と表記するべきかもしれません。

投稿: いなか小児科医 | 2009年5月16日 (土) 23時54分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101068/45005941

この記事へのトラックバック一覧です: 1918年の経験:

» インフルエンザがこわくて田舎にやって来た [http://uutanokayama.seesaa.net/]
鳥インフルエンザH5N1型のパンデミックが起こったら? 大阪では家族・自分を守れないと悟り、岡山に。免疫向上の方法や、ウィルスとの戦い方・・・・・ [続きを読む]

受信: 2009年5月14日 (木) 01時25分

« 新型インフルエンザの致死率について | トップページ | 理想と現実 »