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2008年9月13日 (土)

医療の不確実性

2008年9月12日 雨

医療には不確実性がつきまといます。人間は一人として同じ人間はおらず、数ある病気は患者さんによりいろいろな表現をして、そして、治療に対する反応性はすべて予測できるものではありません。病気の原因がほぼわかっているものであれば、治療に結びつく知見は得られやすいでしょう。しかし、その原因さえわからない...そして、大方の症例でこの治療が効果的であるというような疾患であれば、現在、考えうるすべての治療を動員しても、病勢を押さえ込むことが難しいこともあります。

小児の血管炎である川崎病はまさにそのような疾患の一つであるといえます。治療にはガンマグロブリンとアスピリンを併用しますが、この治療でも一部の患者さんに反応が乏しいとされています。ガンマグロブリン不応例に対する治療は広い範囲で研究されていますが、コレといった著効する治療法がないのが現状であり、ステロイドにおいてもその使用法などについて模索中であるといえます。

クーデルムーデルさまの書き下ろされているブログに、このようなエントリーを見つけました。
きびしい川崎病

そのコメント欄において、この患者さんは残念なことに冠状動脈瘤を合併してしまったとあります。ガンマグロブリン不応例であり、ウリナスタチン併用しステロイドまで使用して病勢を抑えようとした努力に頭が下がります。残念な結果に、患者さんそして家族の方々、そして、何より主治医であったクーデルムーデルさまが残念でならないでしょう。

私は川崎病でステロイドを使用する症例の経験はありません。しかし、これだけは感じます。ステロイドを使用するほどの症例であり、誰が治療を行っても、ほぼ同じ結果であったのでは?と....。そして、これは医療の不確実性に属する部分であると....。

どうか、ご自身をあまり責めないでおられることを望みます。

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コメント

IVIGが確立してますのでステロイドは実際に第一選択には来ないですよね。PEなどもそうそう簡単にはいきませんし。
メカニズムの解明が進めばピンポイントの薬がでてきそうな気はします。

投稿: Kazu | 2008年9月13日 (土) 10時24分

 さればこそIVIGが効かないだろうと予測できるかがまず問われ、それに対しIVIG以外に何ができるかを考えるべき時代なのだと思います。

 医療は不確実なものですが、それをそれとして受け入れると同時に、それを克服する努力を日々繰り返すほかないと気持ちを新たにしました。

 いなか小児科医先生、応援記事をありがとうございました。

投稿: クーデルムーデル | 2008年9月14日 (日) 07時29分

こんにちは
クーデルムーデルさま

>医療は不確実なものですが、それをそれとして受け入れると同時に、それを克服する努力を日々繰り返すほかないと気持ちを新たにしました。

同感です。現在の不確実性は、明日のevidenceがとなるかもしれません。このような、辛い、残念な症例にこそ、学ぶべきessenceが隠されていることでしょう。

川崎病IVIG不応例の早期見極めと、治療法の確立を望みます。

投稿: いなか小児科医 | 2008年9月14日 (日) 09時37分

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