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2008年9月

2008年9月21日 (日)

何故だろう...

2008年9月22日 雨

なぜだろう....
何故、5歳や6歳くらいの、まだこれから生きる喜びを感じることのできる子供の命が何者かにより絶たれるのだろう...。殺されたと思われる子供たちは、その瞬間、何を感じていたのだろう。

何故、彼らは死ななければならなかったのだろう....。そして、何故このような事件が続くのだろう。

涙が出る。まだ、立派に生きることができるのに...。人生を謳歌できただろうに...。

このような事件が続く背景には、日本の社会の変化があるのか?とも思う。子供の命を軽んじるようになったのか?子供を育てるという行為を社会全体として受け入れる能力が低下したのか?成績主義、能力主義が社会に浸透し、また、子供もまたその序列の中に組み込まれていく。社会全体がよりパフォーマンスを上げるように、より儲けるように動いていく。

勝ち組、負け組などというコトバが生まれてきたように...。社会は徐々に二極化の様相を呈し、社会の底辺を生きる人々はより貧しさを強くしていると感じられる。一方、勝ち組の人々はより裕福な暮らしを求める。その格差を感じるとき、社会の底辺を生きざるを得ない人たちには、ある種の、諦め...また、上層部や社会全体に対する復讐心が芽生えてもおかしくないと思う。

そのような状況の人々が増えているのでは?

社会的な弱者である子供たちを擁護するのではなく、自分たちの苛立ちのはけ口としているのかもしれない。これらの事件に、いま記述したような背景因子が絡んでいるとしたら、恐ろしいと感じる。

大切な子供の生命を奪った犯人個人を到底許すことはできない。そして、このような事件を生み出す社会背景があるならば、それをも許すことはできない

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2008年9月13日 (土)

医療の不確実性

2008年9月12日 雨

医療には不確実性がつきまといます。人間は一人として同じ人間はおらず、数ある病気は患者さんによりいろいろな表現をして、そして、治療に対する反応性はすべて予測できるものではありません。病気の原因がほぼわかっているものであれば、治療に結びつく知見は得られやすいでしょう。しかし、その原因さえわからない...そして、大方の症例でこの治療が効果的であるというような疾患であれば、現在、考えうるすべての治療を動員しても、病勢を押さえ込むことが難しいこともあります。

小児の血管炎である川崎病はまさにそのような疾患の一つであるといえます。治療にはガンマグロブリンとアスピリンを併用しますが、この治療でも一部の患者さんに反応が乏しいとされています。ガンマグロブリン不応例に対する治療は広い範囲で研究されていますが、コレといった著効する治療法がないのが現状であり、ステロイドにおいてもその使用法などについて模索中であるといえます。

クーデルムーデルさまの書き下ろされているブログに、このようなエントリーを見つけました。
きびしい川崎病

そのコメント欄において、この患者さんは残念なことに冠状動脈瘤を合併してしまったとあります。ガンマグロブリン不応例であり、ウリナスタチン併用しステロイドまで使用して病勢を抑えようとした努力に頭が下がります。残念な結果に、患者さんそして家族の方々、そして、何より主治医であったクーデルムーデルさまが残念でならないでしょう。

私は川崎病でステロイドを使用する症例の経験はありません。しかし、これだけは感じます。ステロイドを使用するほどの症例であり、誰が治療を行っても、ほぼ同じ結果であったのでは?と....。そして、これは医療の不確実性に属する部分であると....。

どうか、ご自身をあまり責めないでおられることを望みます。

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2008年9月10日 (水)

タダモノではない

2008年9月10日 晴れのち雷雨

いままで晴れてたのに、突然の雷雨でした。ともあれ、福島県立大野病院事件を契機にして書き始めたこのブログ...検察側の控訴断念で、一応の役割は果たしたかな?などと思いしばらくは筆をとることもしていませんでした。

しかし、習慣となっているものは...スゴイですね。(笑)なんだか、書かなければキモチが悪い...。(爆)

さて、あるとき経験した患者さん。主治医は内科の先生で、私はアドバイスしてました。(ちなみに、いつものように相当の脚色が加わっています。)

40代の女性。これまで、健康で医療機関にかかったことがない。ここ、1ヶ月程度からだがダルく、徐々にむくみが出てきた。もともと、やや肥満気味であったためか?むくみには気づかず...徐々に息苦しい感じがみられるようになり近医を受診。そこで、全身浮腫と胸水、腹水、尿タンパクを指摘されて当院へ紹介入院。

体重はおそらく(以前の体重が定かでない...)10kg以上増加。いわゆるAnasarcaという状況。血圧は170/95と上昇し、HbA1cは11%!。検尿では蛋白≧300mg/dl(半定量で950mg/dl)、潜血3+、沈渣ではRBC 20-30/HPF、顆粒円柱1+だった。血清アルブミンは1.0g/dl...。T-chol 360mg/dl。

ウーム、糖尿病性腎症では経過が速すぎるし、潜血や顆粒円柱などもみられている。何らかの他の因子が絡んでいるのか??とりあえず、アルブミン輸注と利尿剤...。ステロイド...。しかし、乏尿...。体重は更に増加...。網膜症はありとのこと...。

これは...いけない。ダブルルーメンカテを挿入し、持続血液濾過で除水を...。そうこうしているうちに、乏尿が進行し200ml/日程度に、急速にBUN, Cre.は跳ね上がる。FENaは1%で尿細管壊死ではなさそうだ...。血清アルブミンを保ちながら、除水を進め、1週間で10kg程度体重減少した。その頃より、徐々に尿量が増えて、浮腫がとれ腹水が消失したところを見計らって腎生検。糖尿病にステロイドで血糖コントロールが難しくなる、もちろんインスリンで厳格にコントロールしているが.....。

まだ、尿タンパクは12g/日以上...。しかたがない、biopsyの結果を待たず、LDL吸着をやってみる。3回施行したところで明らかに尿タンパクは減少。3g/日程度に...。biopsyの結果はDM腎症はあるが...ガチガチのKW病変はなし、比較的早期のDM腎症でネフローゼを呈するものとは考えにくい。蛍光抗体法でメサンギウムにIgA, C3の沈着が軽度あり、電顕ではdiffuseなfoot-process fusionありとのこと...。印象として、DM腎症(早期)+微少変化型ネフローゼではないか?とのこと。

尿細管の変化が少ないことを確認して、CyAをかぶせ、ステロイドをtaperingしoffに...。DMのコントロールも改善して退院となった。外来にて、尿タンパクは陰性化した。

ただの糖尿病性腎症ではない症例でした。

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