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2008年7月19日 (土)

原子力発電の是非...

2008年7月19日 晴れ
とにかく暑かった....。

いま、地球では温室効果ガスの著しい増加に伴い、地球温暖化が進行している様です。特にCO2は人間の経済活動に伴い多く発生し...ココ100年で驚く程の濃度増加です。人間の生活のためエネルギーは必要ですが、そのエネルギーを得るために化石燃料を燃やせばCO2は排出されます。CO2を排出しないエネルギーは核分裂あるいは核融合といった化学反応によらないエネルギー、質量が消失して行く時にエネルギーに変わるような反応、あるいは自然エネルギーを利用するもの、水素を燃やす場合や水素から水を作る時に出るエネルギーを電気として取り出す燃料電池などがあります。地球温暖化がCO2の著しい増加によるものであり、排出するCO2を削減する必要があるならば、そういった代替手段を考慮しなければならないでしょう。

原子力発電はそのうちの核分裂反応を利用してエネルギーを取り出すものです。ウラン235などの核に中性子が衝突すると、核が分裂しますが....その際、僅かに質量が減少し、それがエネルギーに変化します。アインシュタインの相対性理論から導き出される、その際のエネルギーはE=mC*C(ここでm:質量、C:光速)で僅かな質量から莫大なエネルギーが取り出せるとされています。ですから、ウラン235のような不安定な核種をものすごく高濃度に集めて、僅かな時間で多くの核分裂反応を起こさせた場合は、爆弾になります。そして、それが原子爆弾なのです。しかし、通常はこのような爆発的な反応を起こさせない様に発電所ではちょうど良い具合に『臨界』という状態を保って、継続的にエネルギーを取り出します。

確かに、チェルノブイリの事故、アメリカのスリーマイル島の事故など高レベルな放射性物質が露出される様な事故はつきまとうでしょう....しかし、それぞれの事故には決定的な問題点がありました...チェルノブイリの事故では黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉(RBMK)という設計の原子炉が使用されていましたが、その設計に問題がありました。

チェルノブイリ事故以来、残りの全RBMK炉は、安全性を向上する為のいくつかのアップデートを受けた。そのなかで最大の改良は、RBMK制御棒設計の改良である。以前の設計では、炉の出力を積極的に上げるため、制御棒の下に黒鉛の棒を付けるように設計されていた。この設計では炉心中心部が核毒により出力が低下し、事故当時のように炉心上下に出力のピークが分かれていた場合、単純に運制御棒が原子炉に挿入すると炉の核反応速度を下げるか炉を止める代わりに出力が上がってしまっていた。この設計上の欠陥は、チェルノブイリ事故で原子炉を停止するために非常用ボタンを押した時、最初の爆発を引き起こした原因となった。Wikipedia:黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉より引用

因に、日本ではこの形式の原子炉は建設されていませんし、運転もされていません。

また、スリーマイル島の事故では....加圧水型原子炉(かあつすいがたげんしろ、(英)Pressurized Water Reactor、PWR)という一次冷却材である加圧水(圧力の高い軽水)を300℃以上に熱し、蒸気発生器によって二次冷却材の軽水を沸騰させ、最終的に高温高圧の蒸気としてタービン発電機を回し、電力を生み出す原子炉が安全弁の不具合、計器の不具合、人為的ミスが重なり事故を起こしました。

初め二次冷却水の給水ポンプが故障で停まり蒸気発生器への二次冷却水の供給が滞ったため除熱が出来ないことになり、一次冷却系を含む炉心の圧力が上昇し加圧器逃し安全弁が開いた。このとき弁が開いたまま固着し圧力が下がってもなお弁が開いたままとなり、蒸気の形で大量の原子炉冷却材が失われていった。原子炉は自動的にスクラム(緊急時に制御棒を炉心に全部入れ、核反応を停止させる)し非常用炉心冷却装置(ECCS)が動作したが、すでに原子炉内の圧力が低下していて冷却水が沸騰しておりボイド(蒸気泡)が水位計に流入して水位を押し上げたため加圧器水位計が正しい水位を示さなかった。このため運転員が冷却水過剰と勘違いし、ECCSは手動で停止されてしまう。このあと一次系の給水ポンプも停止されてしまったため、結局2時間20分も開きっぱなしになっていた安全弁から500トンの冷却水が流出し、炉心上部3分の2が蒸気中にむき出しとなり、崩壊熱によって燃料棒が破損した。Wikipedia:スリーマイル島原子力発電所事故より引用

ミスの連鎖がこの不幸な事故を起こしました。最終的には炉心融解を来たしましたが、幸いにもチェルノブイリに比較して軽い被害で済んでいます。

日本では、原子力発電に携わる方々の怠慢に起因すると思われる事故が起こっています。しかし、幸いなことに一般の方々への健康被害が生じる様な大きな事故はおこっていません。原発の設置場所が活断層の上であるといった問題はあります。原子力に関わる人々のレベルを向上すること...更なる技術の向上があれば、比較的安全にエネルギーを手に入れることができるのではないかと感じます。

yshooでのアンケートでは...

と実に50%の回答者がCO2の削減のため原子力発電を増やすべきであると答えています。

我が国は、世界で唯一の被爆国です。そのため、核エネルギーの平和的利用についても、わだかまりがあるのは仕方がないことかもしれません。しかし、このまま化石燃料に依存していくならば....その先には破滅が待っているでしょう。もっとクリーンな代替エネルギーを開発するまで、原子力に頼るのは仕方がないことかもしれません...。

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