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2008年6月21日 (土)

点滴専門???

2008年6月21日 雨
豪雨が続いています。

点滴による治療は、特に脱水状態にある患者さんに対しては有効であると思われますが....栄養補給のために行ってもあまり効果はないものと考えられます。誤嚥などで食べれない患者さんに対して、栄養状態を改善するためにする場合は、末梢静脈からの点滴では追いつかず、中心静脈栄養という方法がとられます。

また、全く食べれない患者さんに、ビタミン剤抜きの点滴を長期間行った場合、代謝性アシドーシスやウェルニッケ脳症という特殊の脳症を起こしたりすることがありますが....通常の食事が摂れている方にはビタミン剤の点滴を行っても元気にはなりません。ただ、プラセボ効果といって『この点滴は効く』と信じると症状の改善がみられる効果が絡みますので、点滴をすると少し調子が良くなったと思われる方が多いと思われます。

また、『調子の悪い』という症状の裏に心不全が絡んでいる場合、また、腎不全が絡んでいる場合などは点滴をすることにより生命にトドメを刺されることもあります。点滴は注意して行わなければなりません....。

東京恵比寿に仕事の合間に10分間で点滴を行い、元気を出していただこうという点滴専門スペースができているようですが....この効果はギモンです。そして、ホントに悪い心不全をもった患者さんに点滴をしてしまって、突然死なんてことが起こらなければいいなと....。

【トレンド】疲れた体には「10分点滴」!? 点滴専門スペース「TENTEKI 10」体験リポート 6月21日10時0分配信 nikkei TRENDYnet
魚拓

『東京・恵比寿にある「点滴専門スペース」がビジネスマンの注目を集めている。手軽に点滴が受けられ、時間もわずか10分だという。

 病院で体力回復のために点滴を受けることは一般的だ。東京・恵比寿の恵比寿ガーデンプレイスクリニックでは以前からビタミン注射のニーズは高かったが、一般診療と同じ窓口での受付だったので、「残業前にちょっとエネルギーチャージ」というときには、待ち時間に不便を感じる利用者が多かったという。そこで、予約や待ち時間なしで気軽に点滴を受けられる専門スペース「TENTEKI 10(てんてき・てん)」をクリニック内に開設。4月のオープン以来リピーターも増え、利用者も20代から60代まで幅広い。』

体力回復のために点滴を行うことはありませんし、それで体力が回復されることもありません。脱水状態にあり、輸液を行うことにより症状が改善することはあります。末梢からの点滴に入っているエネルギーは食べ物から摂取できるエネルギーの10分の1にも満たないでしょう。本当に、体を支えるエネルギーを入れるならば、前述のように中心静脈栄養という方法をとらなければなりません。これは鎖骨下や内頚静脈、ソケイ部の静脈から心臓に近い大静脈までカテーテルを挿入し、そこに必要な高濃度の点滴を行う方法です。末梢からの点滴ではそのような高濃度の点滴を行うことはできません。

『まずは、受付。保険適用外の自費診療となるので、保険証は不要だ。既往症やアレルギーなどの質問に答える問診表に記入し、メニューを選ぶ。メニューの基本は、ビタミンCやB群が含まれた総合ビタミン点滴「ベーシックパック」(2000円)。これに、9つのオプションメニュー(2500円〜3500円)を組み合わせることもできる。男性には疲労回復や眼精疲労、睡眠不足などに最適なトコフェロール、Lアスコルビン酸が主な成分の「ブルーパック」(3000円)、女性には、しみ、そばかす、くすみなどを軽減する「ホワイトパック」(3000円)の人気が高い。体調などにより、オプションメニューをいくつか組み合わせてオリジナルメニューを作ることも可能だ。』

総合ビタミン剤に含まれるビタミンCやB群は水溶性ビタミンとされ、点滴にて血管内に入りますが、速やかに腎臓から尿として排泄されます。ニンニク注射をしたあとのおしっこが同じ匂いがするのは、このためです。保険診療でなく自費ですから、このようなお値段となるのでしょうね....。

でも、米国では生食500ml点滴するのに、50万程度とられることもあるとのことです。

『なんとなくニンニクのような香りがかすかに香る。これは担当医によると、ビタミンB1が体中を巡っているときに生じる匂い。いわゆる“ニンニク注射”と呼ばれているものだ。ニンニク注射とはニンニクが入っているわけではなく、主成分は、このビタミンCやB群なのである。点滴後はなんとなく気分がスッキリ。眼が冴えるような気分も感じられる。「翌朝の目覚めがよくなったとおっしゃる方が多いですね」と看護師さん。事実、この翌日はいつもよりスッキリと目が覚め、内側から元気がみなぎってくるような気分だった。』

おそらく、プラセボ効果によるものでしょうね...症状の改善は...。

『「病気ではないけれど、なんとなく身体がだるい、調子がすぐれない、東洋医学でいうところの『未病』の方の不調を解消し、より快適に過ごしていただくことが目的です。点滴は注射よりも体に対する負担が軽く、血液内へ直接投与するため、口から体内に取り入れるよりも効率よく吸収されます」と担当医は語る。マッサージやサプリメントなどと同様に、手軽に疲れた体を癒やす選択肢としておすすめできる方法だ。 』

ここには、点滴による副作用は記載されていません。心不全のあるかたへの副反応...感染の危険性などを考慮すると、元気に働かれている程度の人々に軽々しく行うべきではないと感じます。

ただ、危険性を納得された上で施行するのは止める所ではありません。

(追記です。)

こちらにも関連した記事があります。

本日参照させていただいた記事です。

『【トレンド】疲れた体には「10分点滴」!? 点滴専門スペース「TENTEKI 10」体験リポート
6月21日10時0分配信 nikkei TRENDYnet

時間は10分、予約なしで手軽に点滴が受けられる「点滴専門スペース」がビジネスマンの注目を集めている。4月のオープン以来リピーターも増え、利用者も20代から60代まで幅広いという。
 東京・恵比寿にある「点滴専門スペース」がビジネスマンの注目を集めている。手軽に点滴が受けられ、時間もわずか10分だという。

 病院で体力回復のために点滴を受けることは一般的だ。東京・恵比寿の恵比寿ガーデンプレイスクリニックでは以前からビタミン注射のニーズは高かったが、一般診療と同じ窓口での受付だったので、「残業前にちょっとエネルギーチャージ」というときには、待ち時間に不便を感じる利用者が多かったという。そこで、予約や待ち時間なしで気軽に点滴を受けられる専門スペース「TENTEKI 10(てんてき・てん)」をクリニック内に開設。4月のオープン以来リピーターも増え、利用者も20代から60代まで幅広い。

体調や目的に合わせて選べる9つのオプションメニュー

 まずは、受付。保険適用外の自費診療となるので、保険証は不要だ。既往症やアレルギーなどの質問に答える問診表に記入し、メニューを選ぶ。メニューの基本は、ビタミンCやB群が含まれた総合ビタミン点滴「ベーシックパック」(2000円)。これに、9つのオプションメニュー(2500円〜3500円)を組み合わせることもできる。男性には疲労回復や眼精疲労、睡眠不足などに最適なトコフェロール、Lアスコルビン酸が主な成分の「ブルーパック」(3000円)、女性には、しみ、そばかす、くすみなどを軽減する「ホワイトパック」(3000円)の人気が高い。体調などにより、オプションメニューをいくつか組み合わせてオリジナルメニューを作ることも可能だ。

 今回選んだのはベーシックパック(2000円)と、ビオチン、アスコルビン酸、フラビンアデニンジヌクレオチド、リン酸ピリドキサールが主成分で、肌荒れや乾燥肌、しみやニキビに効果があるというオプションの「ピンクパック」(3500円)の組み合わせ。合計で5500円となる。初診の場合は問診表に基づいて医師の問診を受ける。ここで、オプションを変更することも可能だ。もし、明らかな異常が見取られれば、隣接する一般外来で保険診療をアドバイスされることもあるという。問診が終わればいよいよ点滴へ。

10分で気分爽快! 翌日の目覚めも良好な気分

 カウンター席のほか、液晶テレビが備えられたソファ席もある。空きスペースがあればどちらで受けてもOKだ。点滴液は直前に調合されるので安心。点滴中は本を読んだりしてのんびり過ごす。携帯電話も禁止されていないので、メールのチェックなどをして過ごしてもいい。といっても約 10分間なので、眼をつむってゆっくり身体を休ませるのがいいだろう。

 なんとなくニンニクのような香りがかすかに香る。これは担当医によると、ビタミンB1が体中を巡っているときに生じる匂い。いわゆる“ニンニク注射”と呼ばれているものだ。ニンニク注射とはニンニクが入っているわけではなく、主成分は、このビタミンCやB群なのである。点滴後はなんとなく気分がスッキリ。眼が冴えるような気分も感じられる。「翌朝の目覚めがよくなったとおっしゃる方が多いですね」と看護師さん。事実、この翌日はいつもよりスッキリと目が覚め、内側から元気がみなぎってくるような気分だった。

 「病気ではないけれど、なんとなく身体がだるい、調子がすぐれない、東洋医学でいうところの『未病』の方の不調を解消し、より快適に過ごしていただくことが目的です。点滴は注射よりも体に対する負担が軽く、血液内へ直接投与するため、口から体内に取り入れるよりも効率よく吸収されます」と担当医は語る。マッサージやサプリメントなどと同様に、手軽に疲れた体を癒やす選択肢としておすすめできる方法だ。

(文・写真/永浜敬子)』

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コメント

お久しぶりにコメントします。
久しぶりに先生のブログを拝読させていただきましたが、このクリニックには驚きました。
目的は、営利なんでしょうか?確かに今の時代、特徴がなければ、医療経営上なりたたないのはわかります。しかし、サービスと医療サービスは明らかに別物と考えます。薬を入れることは、すなわち、体内に毒を入れることです。しかし、いい効能があるがゆえ、必要に応じて、その毒の副作用を恐れながら、治療をしていくものだと、思います。

投稿: yuchan | 2008年6月25日 (水) 17時22分

長くてすみません。他の医院さんですので、私がとやかくいうのもお門違いとは思いますが、この医療行為には、首を傾げざるを得ません。投薬、点滴、手術の施行にあたっては、医療者は極力慎重になるべきで、逆に患者さんの訴えがあっても、不必要であると思われる場合、その不利益性、リスクを十分にご理解いただいたうえで、医療行為の是非を決定することが、医者としては、当然の考え方ではないかと私は、思います。それをもてはやす、ライターの質も疑問視せざるをえません。
考え方が古いのでしょうか・・?

投稿: yuchan | 2008年6月25日 (水) 17時26分

こんばんは
yuchanさま

コメントありがとうございます。
お久しぶりです。confident

お考えは私と共通するものがあります。医療は所詮、人間である医師の行うもの...目的とする作用と、副作用のバランスをとりながら、繊細かつ大胆に行うものです。

疲労がたまっているから、希望する方々に10分間の点滴をするというのは...大抵の方々には、プラセボ効果を楽しんでいただけるとは思いますが....少し危険であろうと思います。

投稿: いなか小児科医 | 2008年6月26日 (木) 21時28分

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