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2008年6月

2008年6月30日 (月)

DPCについて

2008年6月30日 曇りのち晴れ

DPCについては以前のエントリーで触れました。DPCにはいい面と悪い面があり...悪い面が前面に立たないようにするべきです。また、現在の風潮は「全ての急性期病院でDPCを採用すべし」ですが...それは危険....。これまでも、厚生労働省はハーメルンの笛よろしく、甘い汁で病院群をその土俵に導いては、土俵から突き落とすような所業を繰り返してきました。すべての急性期病院がDPCの土俵にあがったとき、それまでの歴史が繰り返される可能性は否定できないでしょう。

DPCへの理解求め日医に働き掛け―日病協 6月30日14時30分配信 医療介護CBニュース

『日本病院団体協議会(議長・山本修三日本病院会会長)は6月27日の代表者会議で、投薬や注射、入院などの費用が病名ごとに決められた一日当たりの定額制になる診断群分類別包括評価(DPC)について、病院団体としての考え方を整理した上で、日本医師会に理解を求めていく方針を決めた。診療報酬改定関連の具体的な対応を話し合う実務者会議で今年夏をめどに意見集約し、日医に働き掛ける。』

日本病院会は診療情報管理士という資格を認定する資格者を養成する通信制学校をもっています。そして、この診療情報管理士はDPCの導入と深い関わりをもっています。平たくいいますと....診療情報管理士がいなければ、その病院はDPCを導入できないとまでいえそうです。つまり、日本病院会としてはDPCが拡大して、診療情報管理士の養成数が増えると...自身に対する何らかの利益がある。とみることができます。

そのような立場であれば、DPCに対して異を唱えることはできないでしょうね....。

『その上で、出来高による算定にもモラルハザードの問題が付きまとうと指摘。「モラルハザードがあるというだけでは、DPCを批判する理由にはならない。もしもモラルハザードがあるのならば、それをなくせばいい」と強調した。日医の主張についても、「おそらく理解不足があるのかなと思う」との認識を示し、DPCに対する病院団体のスタンスを説明していく考えを示した。』

確かに、出来高でいっても、逆の意味であるモラルハザードは生じるでしょう。しかし、必要な治療であっても経済的な観点から施行できないという事態は生じません。この潮流に乗っていくと、アメリカ型の医療にたどり着くようで....心配はつきません。

すべての病院がDPCに乗ってしまって、厚生労働省がズバっと給付する金額を下げてしまったらどうでしょうか?病院のみならず、患者さんにも大きな被害が出そうです。前にならえ方式でこの波に乗るのは今ひとつオススメできません。

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2008年6月28日 (土)

後頭部の腫瘤と血小板減少_診断治療編

2008年6月28日 雨のち曇り

昨日の症例の続きです。
患児は人工呼吸器を装着されたが、翌日には呼吸状態が改善し抜管できました。後頭部の腫瘤は、表面が紅く、やわらかいものでした。当時、オーベンであった小児科部長は『この腫瘤は恐らく血管腫で、血小板減少を伴っているのであればKassabach-Merritt症候群を合併しているのであろう』と推察。一日経過して、血小板は更に1万まで減少し、皮膚に出血斑が出現。腫瘤の皮膚生検よりさきに、ステロイドによる治療を優先。パルス量のメチルプレドニゾロンを使用し、一旦は血小板が10万程度まで上昇。

その間に、皮膚生検を施行していただき、結果は「毛細血管種」でした。ステロイドはプレドニゾロンで20mg/日程度まで減量し経過を観察しましたが、血小板は一進一退。入院すること2ヶ月、腫瘤の退縮傾向もみられず、感染を契機に血小板は一気に3,000に減少しました。

血小板の輸注を行い、当時はインターフェロンやIVRも発達していない時期でしたので、最後の手段として放射線治療を行っていただきました。表面に近い腫瘤ですので、電子線を用いて治療しました。

効果は歴然としており、一旦上昇した血小板は正常下限を割ることがありませんでした。ステロイドは漸減中止でき、腫瘤もみるみるうちに退縮しました。

放射線治療後、1ヶ月で退院し、その後経過フォローしましたが...腫瘤は跡形もみられない状態になり、血小板も低下することはありませんでした。

追記です。Kasabach-Merritt 症候群の実際に症例の紹介があります。(本日御紹介している文章のモトとなった方ではありません。)

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2008年6月27日 (金)

後頭部の腫瘤と血小板減少

2008年6月27日 晴れ

実際に経験した患者さんのお話をもとにして作ったフィクションです。

10数年以上前のお話し。
3歳の女児。後頭部に7cm×5cm程度のやわらかい腫瘤ができて精査のため、その頃、勤務していた病院の脳神経外科に紹介されてきました。対応した脳神経外科医は、『まずはCTを撮りましょう』と...鎮静を行い撮影しておりましたが....鎮静が効きすぎたのか?呼吸が抑制され小児科の病棟に、コンサルト。『そりゃ大変だ...』ということで、CT室へいそぎます。

到着すると、チアノーゼを呈した子供が....。呼吸は、停止している訳ではありませんが、舌根が沈下してほとんどエアが入っていない...。一緒に行ってた先生とともに、しばらくBag & Maskしてましたが...止めると呼吸抑制が来て、鎮静の影響だけか??ということになり、気管内挿管。

血液検査もされていないようなので、同時に検査を行い、返ってきた結果は....血小板3万。末梢血には少なくともblastはみられません。

診断は次回に....^ ^

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2008年6月26日 (木)

中原先生の奥様

2008年6月26日 曇り

MRIC: Medical Research Information Centerのメルマガに流されていた文章です。

中原利郎先生は東京にある私立病院に勤務されていました。いろいろな経緯から、1999年8月に病院の屋上から飛び降りて自ら命を絶たれました。亡くなる前の勤務状況等から、「過労」による死亡であることは明らかであると思われますが....勤務先であった病院は現在に至っても、「過労死」と認めようとはしません。

妻である中原のり子さまが次のような文章を書き下ろされていますので、引用させていただきます。

『労死事件の概要

平成11年8月16日 中原利郎、勤務先佼成病院の屋上から投身自殺(44歳)

平成13年9月17日 新宿労基署に遺族補償給付を申請

平成16年12月7日 東京地裁(行政部)労災不認定取消訴訟を提起

平成19年3月14日 原告勝訴判決!

平成19年3月28日 被告控訴せず→労災認定

 1999年8月16日の朝、小児科医だった夫の中原利郎は真新しい白衣に着替えて、勤めていた病院の屋上から身を投げました。享年44歳でした。亡くなる6ヶ月前には、6人いた医師が3人に減ったこともあって、月に8回当直し完全な休日は2日といったような働き方をしていました。管理職になって採算のことも考えねばならず、精神的にも肉体的にも疲れきった様子でした。夫は、「命を削りながら当直をしている」とか「部長会議は、地獄のように辛い」とこぼしていました。亡くなる2~3ヶ月前には「病院に殺される」と言うようにもなっていました。そんな夫の働き方を、東京地裁は昨年3月、過重労働であると認め、国に不支給決定を取り消すよう命じる判決を言い渡しました。国は控訴せず、勝訴が確定しました。

 8年かけて国は、夫が小児科医師として激務であったと認定したにもかかわらず、勤務先だった病院は、夫の働きは過重労働ではなかったと未だに主張し続けています。「月の当直が6回から8回になっても、さほど生活全般に影響が出るほどの変化とはいえない勤務先」などという論点で、「過労死」であったことさえ否定するのです。この病院の認識は、現実からかけ離れているように思います。“病院は、過重労働の勤務医を守ってくれないのか”夫が亡くなってからの9年間ずっと考えていたキーワードです。小児科に限らず勤務医の働き方は、医師の犠牲的精神で乗り越えられる限界を超えています。深刻化する医師不足に、厚生労働省は、ようやく医師増員などの「医療確保ビジョン」を打ち出しましたが、それだけで医療現場の危機を救うことはできるのでしょうか。労災認定された労働実態を、病院が認識し改善する。医師が人間らしく働ける労働環境をつくってほしい。そんなメッセージを伝えるのが、遺された私の役目だと思っています。

 今回のシンポジウムで、疲れ切った医師にいのちを委ねたくない市民と、疲れ切ったまま医療に従事したくない医師と、疲れ切った医師を働かせ続けたくない病院長と一緒に、あなたも考えてみませんか。勤務医の職場環境改善のために病院にできること。医療者の健康を守ることが医療安全につながること。参加者全員で、「あなたを診る医師がいなくなる!」、こんなタイトルのシンポジウムが
必要でなくなる社会を目指したいと思います。』

この文章の中には、勤務先を名指しするものがありません。ネット上では、明らかになっている事柄ですが...良心的で、フェアーであると思います。よって、拙ブログでも名指しはしません。

当時に比較して、小児科医の労働環境は若干の改善があったかもしれませんが、依然として私のように一人で診療し続ける小児科医もいます。まだまだ、環境を改善させる努力が必要でしょう。

そして、シンポジウムの御紹介....

6月28日(土)  東京医科歯科大学にてシンポジウム開催 あなたを診る医師がいなくなる! ~過重労働の医師を病院は守れるのか~ http://sky.geocities.jp/shyuju2008/sym062808.html

 勤務医の労働環境を考えるシンポジウム実行委員会
(実行委員長:松崎道男/松崎内科クリニック院長、元虎の門病院輸血部長、医療安全対策室長)

日時:2008年6月28日(土) 13時半~16時20分(開場12時40分)
会場:東京医科歯科大学講堂(5号館4階)
交通:JR中央線 総武線「御茶ノ水」駅(御茶ノ水橋口)、
東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」駅(医科歯科口)すぐ

司会:田辺 功 氏/医療記者歴40年、近著に『ドキュメント 医療危機』
進行役:塚田 真紀子 氏/著書に『研修医はなぜ死んだ?』、共著に『壊れゆく医師たち』

シンポジスト(五十音順)
●伊関 友伸 氏「地域の財産としての病院のあり方」
/城西大経営学部准教授 医療経営アドバイザー、近著『まちの病院がなくなる』

●岩田 喜美枝 氏「過重労働の是正―女性医師が働き続けるために―」
/資生堂副社長  元厚労省雇用均等・児童家庭局長

●前村 大成 氏「過重労働、管理者としてその後すべき対応」
/元都立府中病院院長 医師の労働環境問題に取り組んだ経緯あり

●松村 理司 氏「“救急”を断らない病院を支えるもの」
/洛和会音羽病院院長 勤務医の過重労働軽減と病院の質向上に奮闘中

 2人の医療ジャーナリストが司会・進行役を務めながら、患者・患者家族、医療関係者、医療系学生、子育て中の母親たち、一般希望者と熱い議論を交わしていく予定です。是非ともいらしてください。そして、多くの方々に伝えてください。このままでは、あなたを診る医師がいなくなってしまうことを。そうならないように、どうしたらいいのかを。

対象:患者・患者家族 医療関係者 医療系学生 一般希望者(定員300名)
会費:100円(資料代として)

主催:小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会
共催:NPO法人医療制度研究会 全国医師連盟 『知ろう!小児医療 守ろう!子ども達』の会 県立柏原病院の小児科を守る会 I-Cube
後援:構想日本

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2008年6月25日 (水)

かけひき....

2008年6月25日 雨
土砂降りでした。

政治家の間のかけひきか....。現在の医療現場をみるとそんな甘いコトいってられない。逼迫しています。

自民が「骨太の方針2008」を了承 6月25日11時19分配信 産経新聞
魚拓

全文を引用します。
『自民党は25日午前、党本部で政調全体会議を開き、政府の「経済財政改革の基本方針」(骨太の方針2008)の原案を大筋了承した。社会保障費の伸びの抑制をはじめとする歳出削減方針の堅持については一部議員に反対論が残ったものの、最後は谷垣禎一政調会長が文言修正の一任を取り付けた。ただ、「最大限の削減を行う」との表現は変更しない方針だ。26日の総務会でも了承される見通しで、政府は27日に閣議決定する予定。』

一部議員に反対論が残ったもののの中の一部議員はイコール道路族でしょうか??
社会保障費に対して「最大限の削減を行う」という文言を残したならば、まだまだ限界を超えた削減が続くかもしれません。とるべきところからはとる方針で税収を増やすべきでしょう。

この骨太の方針を決定する過程には国民の願いは反映されていないように感じます。

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2008年6月24日 (火)

最近の状況

2008年6月24日 雨
晴れ間もつかの間....梅雨空に逆戻りです。

最近、結構レアな疾患に当たってます。
1.先天性心疾患では、総肺静脈環流異常症...通常はチアノーゼが前面に立ちますが、あまり目立ちませんでした。診断には自信がなかったのですが、本当にTAPVDであれば見逃すと結果が悲惨ですので...。NICUに搬送していただきました。
2.先天性でない横隔膜裂孔ヘルニア...乳児例、感冒様症状でしたが、『呼吸が苦しそう』とのことで受診。左の呼吸音が減弱しており無気肺を疑い胸写施行。写真を見て...ビックリ。すぐに、小児外科のある施設に転送です。
3.ペルテス病...男児。時々出現する跛行にて受診。近医でも疑われていましたので、股関節MRIを施行。明らかに大腿骨頭の信号に左右差があり、整形にコンサルト。やはり、ペルテス病の診断。幼年発症例であり、経過観察にてフォロー。

学校心臓検診からまわってくる患児にASD:心房中隔欠損症などが時折含まれます。本日も1例、疑い例がありました...。

後に相当の脚色を加え、フィクションとして語ってみようと思います。
本日はこれまで.....。

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尾辻議連の動き

2008年6月23日 晴れ
久しぶりに爽やかな一日でした。

厚生労働省は「医師の絶対数は充足している。現状の医師不足は地域或は診療科による偏在によるもの。」という大ボラを吹いてきました。医療費亡国論という妄論に毒されて、厚生労働省は限界点を超えるまで医師数、医療従事者数の抑制を続け現状の医療崩壊にたどりついたのですが...その認識はまだまだ甘いと言わざるを得ません。

医師養成数の大幅増と社会保障費の大幅増。これのみが、10年後に現状を打破してくれる方策でしょう...。骨太の方針で示された、年間2200億円づつ社会保障費を削減する方針は、コレを実行にうつすと間違いなく医療の崩壊を招きます。どうか、ココは現実を見つめ、方針の大幅転換を願いたいところです。

超党派の「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」(会長・尾辻秀久参院議員)は舛添厚労相に対して意見を申しました。そして、少しづつ動きのある気配です。

医学部定員増の決議を厚労相に提出―超党派議連
魚拓

『超党派の「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」(会長・尾辻秀久参院議員)は6月18日、舛添要一厚生労働相と大田弘子経済財政担当相に対し、医学部定員の削減についての閣議決定と、社会保障費の年間2200億円削減方針の見直しを求める決議を個別に提出した。17日に福田康夫首相と閣議決定の見直しについて合意した厚労相は、勤務医の労働環境にも言及し、「(勤務医不足は)偏在だけの問題ではない。全力を挙げてやる」と述べ、医師の増員対策に注力する意向を表明した。』

医師数の大幅増と医療費の大幅増はセットでなくてはなりません。日本での医師の待遇が悪ければ、国外にドンドン流出します。閣議決定の見直しはほぼ決定事項のようです。

『議連の決議は、▽「医学部定員の削減に取り組む」という従来の閣議決定を見直し、医学部定員を大幅に増加▽社会保障費の年間2200億円の削減方針を見直し、必要な医療予算を十分確保▽「わが国の医療現場は、あらゆる人々の理解と協力によって支えていかねばならない」との意識を国民全体に涵養(かんよう)▽勤務医の就業環境と待遇の改善に取り組む病院、医育機関、自治体、団体等への支援を抜本的に拡充―の4点。』

どれも、現在の医療現場を救うために必要な事項であると感じます。

『医学部定員については、削減に取り組むとした1997年の閣議決定を見直すとしており、具体的には定員を毎年400人ずつ増やし、現在の8000人を10年後に1万2000人にまで増やすことを打ち出している。診療に従事する医師数が2割弱増え、現在の約26万4000人から30万6000人にまで増加すると見込んでいる。』

毎年、400人づつ定員を増やすということは、これは大変なことです。人員の整備もそうですが...キチンとお金を付けないと上手く行くはずがありません...。

『厚労相は17日の首相との会談で、医師の数を増やす必要性について言及。閣議決定を事実上撤回することなどで合意した。議連の申し入れを受けて厚労相は、18日の「安心と希望の医療確保ビジョン」会議で、医師増員やスキルミックスなどの方針を打ち出した。また、勤務医の労働環境について、「労働基準法違反といってもよいような状態。一週間に80時間働いている人(の労働時間)を40時間に減らすだけでも、勤務医が倍要るということ。偏在だけの問題ではない。全力を挙げてやる」と、その改善も含む抜本的な対策を講じる考えを表明した。』

頼もしいコトバです。しかし、ヒトと同時にお金ももってこなければ上手くいきません。道路を作るお金をやはりシフトするべきでしょう。税収に関しても考えなければなりません。日本は所得税の累進課税が不十分のカタチであるとされます。また、企業に対する課税も....問題ありとのことです。医療福祉を支えて行くためのお金を考えておかなければなりません.....

『大田担当相は「歳出・歳入一体改革は重要だが、医療本体の機能を損なってまで財政を再建すればいいとは思っていない」と述べた。17日に示した「骨太の方針2008」の素案について、「後発医薬品や重複検査など、既定経費の中で効率化できるものはせねばならない。しかし、医療現場で起こる医師不足、救急医療、勤務医の待遇改善、産科や小児科の問題にはしっかりと対応すると素案に書いた。財源については、無駄をゼロにして、政策を立て直す。それでもというときは、負担の議論をセットで考える」とした。
 これに対し、議連の尾辻会長は「くれぐれもシーリングの時に変なことをしないように」とクギを刺した。』

ここは、コトバに弱さを感じます。「それでもというときは、負担の議論をセットで考える」とのことですが、財源の出所などについては明確に示していません....。政府はノラリクラリといったところでしょうか?

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2008年6月22日 (日)

サイバー犯罪の結末

2008年6月22日 雨
やはり時折、熱帯性スコールに襲われます。

大阪府知事:橋下徹氏を殺人予告にて脅迫したとの罪でSEの男性が逮捕されました。ネット上の書き込みのIPアドレスより犯人の特定を行った様ですが....。通常のプロバイダでは、変動するIPアドレスとなっていると考えます。SEという職種から考えると、会社や自身の固定アドレスから書き込みを発信したのか?それとも、変動するアドレスからの情報も特定が可能なのでしょうか?

いずれにしろ、ネット上の匿名性はかなりの部分でなくなってきたということでしょうね。

橋下知事暗殺をネットで呼びかけの男逮捕 府警 6月22日15時24分配信 産経新聞
魚拓

『インターネットの掲示板に橋下徹・大阪府知事の暗殺を呼びかける書き込みをしたとして、府警捜査1課と東署は22日、脅迫容疑で、東京都世田谷区船橋、システムエンジニア、安永博一容疑者(35)を逮捕した。安永容疑者は大阪市出身で、「橋下知事の財政再建プログラムに反感を持っていた。目立とうという気持ちもあった」と供述しているという。』

大阪府はこれまでの経営に問題があったものと認識しています。そのツケを今払わされているのでしょう...。辛いのだけど、ココは頑張る必要があります。

『調べでは、安永容疑者は6月6日午前1時40分ごろ、自宅のパソコンを使ってインターネットの掲示板に「『浪花の金正日』橋下徹を殺害しよう!」「橋下をテロで暗殺したい奴集まれ」などと書き込み、橋下知事を脅迫した疑い。
 掲示板を見た人が12日に警察庁に通報。府警がIPアドレスを分析し、安永容疑者を割り出した。』

まさか、ここまで早くに自分を割り出され逮捕されるとは思っていなかったのでしょうね...。しかし、その所業は刑法違反です。

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2008年6月21日 (土)

点滴専門???

2008年6月21日 雨
豪雨が続いています。

点滴による治療は、特に脱水状態にある患者さんに対しては有効であると思われますが....栄養補給のために行ってもあまり効果はないものと考えられます。誤嚥などで食べれない患者さんに対して、栄養状態を改善するためにする場合は、末梢静脈からの点滴では追いつかず、中心静脈栄養という方法がとられます。

また、全く食べれない患者さんに、ビタミン剤抜きの点滴を長期間行った場合、代謝性アシドーシスやウェルニッケ脳症という特殊の脳症を起こしたりすることがありますが....通常の食事が摂れている方にはビタミン剤の点滴を行っても元気にはなりません。ただ、プラセボ効果といって『この点滴は効く』と信じると症状の改善がみられる効果が絡みますので、点滴をすると少し調子が良くなったと思われる方が多いと思われます。

また、『調子の悪い』という症状の裏に心不全が絡んでいる場合、また、腎不全が絡んでいる場合などは点滴をすることにより生命にトドメを刺されることもあります。点滴は注意して行わなければなりません....。

東京恵比寿に仕事の合間に10分間で点滴を行い、元気を出していただこうという点滴専門スペースができているようですが....この効果はギモンです。そして、ホントに悪い心不全をもった患者さんに点滴をしてしまって、突然死なんてことが起こらなければいいなと....。

【トレンド】疲れた体には「10分点滴」!? 点滴専門スペース「TENTEKI 10」体験リポート 6月21日10時0分配信 nikkei TRENDYnet
魚拓

『東京・恵比寿にある「点滴専門スペース」がビジネスマンの注目を集めている。手軽に点滴が受けられ、時間もわずか10分だという。

 病院で体力回復のために点滴を受けることは一般的だ。東京・恵比寿の恵比寿ガーデンプレイスクリニックでは以前からビタミン注射のニーズは高かったが、一般診療と同じ窓口での受付だったので、「残業前にちょっとエネルギーチャージ」というときには、待ち時間に不便を感じる利用者が多かったという。そこで、予約や待ち時間なしで気軽に点滴を受けられる専門スペース「TENTEKI 10(てんてき・てん)」をクリニック内に開設。4月のオープン以来リピーターも増え、利用者も20代から60代まで幅広い。』

体力回復のために点滴を行うことはありませんし、それで体力が回復されることもありません。脱水状態にあり、輸液を行うことにより症状が改善することはあります。末梢からの点滴に入っているエネルギーは食べ物から摂取できるエネルギーの10分の1にも満たないでしょう。本当に、体を支えるエネルギーを入れるならば、前述のように中心静脈栄養という方法をとらなければなりません。これは鎖骨下や内頚静脈、ソケイ部の静脈から心臓に近い大静脈までカテーテルを挿入し、そこに必要な高濃度の点滴を行う方法です。末梢からの点滴ではそのような高濃度の点滴を行うことはできません。

『まずは、受付。保険適用外の自費診療となるので、保険証は不要だ。既往症やアレルギーなどの質問に答える問診表に記入し、メニューを選ぶ。メニューの基本は、ビタミンCやB群が含まれた総合ビタミン点滴「ベーシックパック」(2000円)。これに、9つのオプションメニュー(2500円〜3500円)を組み合わせることもできる。男性には疲労回復や眼精疲労、睡眠不足などに最適なトコフェロール、Lアスコルビン酸が主な成分の「ブルーパック」(3000円)、女性には、しみ、そばかす、くすみなどを軽減する「ホワイトパック」(3000円)の人気が高い。体調などにより、オプションメニューをいくつか組み合わせてオリジナルメニューを作ることも可能だ。』

総合ビタミン剤に含まれるビタミンCやB群は水溶性ビタミンとされ、点滴にて血管内に入りますが、速やかに腎臓から尿として排泄されます。ニンニク注射をしたあとのおしっこが同じ匂いがするのは、このためです。保険診療でなく自費ですから、このようなお値段となるのでしょうね....。

でも、米国では生食500ml点滴するのに、50万程度とられることもあるとのことです。

『なんとなくニンニクのような香りがかすかに香る。これは担当医によると、ビタミンB1が体中を巡っているときに生じる匂い。いわゆる“ニンニク注射”と呼ばれているものだ。ニンニク注射とはニンニクが入っているわけではなく、主成分は、このビタミンCやB群なのである。点滴後はなんとなく気分がスッキリ。眼が冴えるような気分も感じられる。「翌朝の目覚めがよくなったとおっしゃる方が多いですね」と看護師さん。事実、この翌日はいつもよりスッキリと目が覚め、内側から元気がみなぎってくるような気分だった。』

おそらく、プラセボ効果によるものでしょうね...症状の改善は...。

『「病気ではないけれど、なんとなく身体がだるい、調子がすぐれない、東洋医学でいうところの『未病』の方の不調を解消し、より快適に過ごしていただくことが目的です。点滴は注射よりも体に対する負担が軽く、血液内へ直接投与するため、口から体内に取り入れるよりも効率よく吸収されます」と担当医は語る。マッサージやサプリメントなどと同様に、手軽に疲れた体を癒やす選択肢としておすすめできる方法だ。 』

ここには、点滴による副作用は記載されていません。心不全のあるかたへの副反応...感染の危険性などを考慮すると、元気に働かれている程度の人々に軽々しく行うべきではないと感じます。

ただ、危険性を納得された上で施行するのは止める所ではありません。

(追記です。)

こちらにも関連した記事があります。

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2008年6月20日 (金)

レス_論点のズレ

本日、2稿目となります。

三重県の整形外科診療所にて起こった点滴後の敗血症事件...拙ブログ:論点のズレにてとりあげました。そのエントリーに貴重なコメントをいただきましたので新たにエントリーを立ててお答えしたいと考えます。

666AKS様より

いつも読ませていただいています。事故が起こるのは1つだけが原因ということは稀で、複合しておこるといわれています。
(1)混注の際、アルコール性の消毒剤を使わなかった。ボトルのキャップはアルコールで荒れたと文句をいうはずがないですよね。(2)消毒剤の希釈濃度が不適切。取扱説明書の5%グルコン酸クロルヘキシジンの希釈倍数は最大100倍で、それも損傷した皮膚や手術室、病室の消毒など汚染を考慮していない場合です。(3)作成したボトルを不必要に保存した。作り置きも当日使い切っていれば菌の増殖は少なかった。どれかがなければここまでのことは起こらなかったのにと思います。消毒剤を節約することで、どれだけお金が浮いたのでしょう。遺伝子操作した大腸菌を滅菌せず廃棄して、停職となった教授もいましたが。この辺りの節約感覚は異常と思います。

仰る通り、様々な原因が複合的に絡んで多くのミスが誘導されます。ハインリッヒの法則はこのことを、逆の方向からみたものと考えています。さて、件のエントリーでは、新聞記事中に「素手で消毒綿を調製」したことがあたかも今回の事件の原因であるかのような書かれ方でしたので...「それは違うんじゃないの」ということを訴えたかったという次第です。その点については御同意いただけると考えております。

また、「消毒剤を節約することで、どれだけお金が浮いたのでしょう。遺伝子操作した大腸菌を滅菌せず廃棄して、停職となった教授もいましたが。この辺りの節約感覚は異常と思います。」確かに異常ですね...。でも、この異常さが生まれる背景には何があるのでしょうか?昨今の社会保障費削減の流れの中で、開業医も潰れる時代です。何が何でもコストを下げる努力をするのでは??

厚生労働省が進めるDPCにおいても、何が何でもコストを下げる努力を導きます。このような杜撰な衛生管理が生まれる素地を現在の医療政策が作っているのではないか?どうしても、この考えから抜けることができません....。

Level3様より

>(1)混注の際、アルコール性の消毒剤を使わなかった。ボトルのキャップはアルコールで荒れたと文句をいうはずがないですよね

これは点滴を作っていた看護師さんの手に対してのことでしょう.

>消毒剤を節約することで、どれだけお金が浮いたのでしょう。

国の政策による「医療費削減」はいろいろなところに歪みを生じさせています.この病院の所行に問題がなかったとは言いませんが,社会的な背景にも注意しておく必要があるでしょう.これでもまだ国は社会保障費を減額しようとしています.このままではこれから先,もっとあちこちに歪みが生じて問題が噴出するでしょう.その時に「医療者だけ」を責めるようなことはしないで頂きたい.問題の根はもっと深いのです.

アルコールを使用して、殺菌は出来るが手が荒れてしまい、そこにMRSAが生えてしまったという事例を聞いたことがあります。医療における常ですが...100%の処置、治療、方策はないということです。手が荒れて仕方がないのであれば、ヒビテン、ステリクロンなどに変更するのは合理的な考えであると感じます。
この診療所の行いは決して許されることではありません。しかし、年間2200億円といわれる社会保障費削減の時代においては起こるべくして起こった出来事かも知れませんね...。

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究極の判断

2008年6月20日 雨
ホント、熱帯のスコールです...。

我が国では死刑制度があります。裁判で死刑が確定し執行されるまでには数多くの段階が踏まれ、最終的に法務大臣の決済で執行されます。この決済は『究極の判断』といえるでしょう。そして、その判断を行うことは相当のストレスがかかると感じます。

このようなストレスフルな判断を行わなければならない法務大臣をして『死に神』呼ばわりすることは、どうでしょうか?この記事を書き下ろした朝日新聞の記者には、「生死のギリギリの場面での判断をなさってみなさい」というほかありません。

日本では終身刑という制度はなく、死刑につぐ重刑は『無期懲役』となります。しかし、この無期懲役でも模範囚となるならば、一般の社会に戻ることができます。凶悪犯罪に手を染めたものが、模範的な囚人となり社会に戻ったあとの再犯が最近問題となっていますが、死刑制度を倫理的な問題とするならば、再犯を防ぐ方策を確立させなければなりません。

ことわっておきますが...ココでは死刑の是非を論じているつもりではありません。

朝日「死に神」報道に法相激怒 「死刑執行された方に対する侮辱」6月20日11時12分配信 産経新聞
魚拓

『今月17日に宮崎勤死刑囚(45)ら3人の死刑執行を指示した鳩山邦夫法相を、朝日新聞が18日付夕刊で「死に神」と報道したことについて、鳩山法相は20日の閣議後会見で、「(死刑囚は)犯した犯罪、法の規定によって執行された。死に神に連れていかれたというのは違うと思う。(記事は)執行された方に対する侮辱だと思う」と強く抗議した。』

この朝日新聞の記者さんは「反死刑論者」であったのでしょうか?前述した通り、この最終判断には相当なストレスがつきまとうと考えます。「死に神」というコトバで揶揄するほど軽いものではないと思います。

『「死に神」と鳩山法相を表現したのは、18日付朝日新聞夕刊のコラム「素粒子」。約3年の中断を経て死刑執行が再開された平成5年以降の法相の中で、鳩山法相が最も多い13人の死刑執行を行ったことに触れ、「2カ月間隔でゴーサイン出して新記録達成。またの名、死に神」とした。
 会見で、鳩山法相は「私を死に神と表現することがどれだけ悪影響を与えるか。そういう軽率な文章を平気で載せる態度自身が世の中を悪くしていると思う」と朝日新聞の報道姿勢を批判した。』

まったく同感。朝日新聞の根本の姿勢がこのように軽いものであると露呈した一事であると考えます。

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2008年6月19日 (木)

論点のズレ...

2008年6月19日 雨
ほとんど熱帯のスコールといってよいような激しい雨でした。

三重県の整形外科診療所で、点滴を受けた患者さんが体調不良となり、うち一人が亡くなった事件で、患者さんの血液からセラチア菌が検出されましたが、そのセラチア菌が点滴針を穿刺する際に使用する消毒用綿に検出されました。

点滴を調製する際に、ボトルの下面を消毒綿で消毒しますが、その際にセラチア菌がボトル内に混入し、それが調製されてから時間が経過するとともに増殖。患者さんに点滴された際に、敗血症を生じたものと推定されます。

記事は時事通信から...
薄い消毒液使う=脱脂綿取り扱いは素手−点滴患者死亡・三重 6月19日18時1分配信 時事通信
魚拓

『三重県伊賀市の診療所「谷本整形」で点滴を受けた患者らが腹痛などを訴え、女性1人が死亡した事件で、同診療所が点滴室の脱脂綿を消毒する際、メーカーの基準より20倍以上も薄い消毒液を使っていたことが19日、県の調べで分かった。看護師らが脱脂綿を素手で取り扱っていたことも判明。県はずさんな衛生管理が感染の原因になったとみて、さらに詳しく調べている。』

20倍以上も薄い消毒液を使えば、恐らく消毒効果はほとんど期待できないでしょう。ただ、脱脂綿を素手で取り扱っていたのは....どうでしょうか?この事件との因果関係は...難しい。

『県健康福祉部によると、谷本整形では点滴室と中待合室の2カ所で点滴液を調合。注射針の消毒に使う脱脂綿を消毒する際、中待合室では消毒用アルコールを、点滴室では殺菌薬を使っていた。セラチア菌が検出されたのは点滴室の綿だけだった。』

恐らく、殺菌薬もアルコールもともに素手で扱っていたはずです。でも、アルコールの方は検出されていないのですね....。つまり素手で扱うことは直接的に、これらの綿球にセラチア菌を生やす原因にはならないと思われます。ココにちょっとした論点のズレがみられます。マスコミの恐ろしさですね。

『点滴室の殺菌薬は「グルコン酸クロルヘキシジン」5%液。メーカーの使用基準は「10〜50倍希釈」とされていたが、看護師らは1000倍に薄めて使っていた。同部は「この濃度ではほとんど消毒効果がない」としている。』

なぜ、1000倍に薄めて使用する必要があったのでしょうか?単純に考えて、19本分消毒液を節約することが出来るからでしょうね....。それは、この診療所全体の支出を減らすことになり、ひいては自分たちの給料にもヒビクからでしょう。医療費の切り詰めはこのようなところにもひびきます。

『脱脂綿は消毒液容器に入れ、滅菌した水5リットルと殺菌薬5ccを混ぜて作り置きし、綿が少なくなるたびに綿と殺菌薬を補充していた。この際、看護師らは手袋やピンセットを使わずに素手で扱っていたという。』

この作り置きで、消毒綿の中にセラチアが増殖したのでしょうね....。せめて、毎日1回は新しく作り直せば、このようなことは起こらなかった可能性があります。

また、注射針穿刺時に使用する消毒用綿球は現在ではディスポーサブルとなり、一つ一つが袋に封入されています。これを採用しなかったのは、現在の開業医に科せられた「経営の厳しさ」があるものと考えます。こういった裏の部分を丁寧に取り上げてほしいと思います....マスコミの皆様方には。

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2008年6月18日 (水)

やはり、社会舗装国...

2008年6月18日 晴れのち曇り
湿度が高く、ムシムシする一日でした。

骨太の方針にて年間2200億円の削減を求められている社会保障費ですが...ここへきて見直しの方向が示されていますが『財源は?』とのこと....。道路財源に手を伸ばしたいが、道路族は猛反対の用意です。産業構造が変わらない限り、土建屋の方々の取り分はずっとずっと必要なんでしょうね...。(悲)

<骨太方針08>社会保障費に「別枠」…諮問会議が素案 6月17日21時52分配信 毎日新聞
魚拓

『政府の経済財政諮問会議(議長・福田康夫首相)は17日、経済財政運営の基本方針を示す「骨太の方針08」の素案をまとめた。全体としては歳出削減方針は堅持する一方、社会保障分野では「医師不足、少子化対策、後期高齢者医療制度の運用改善など重要課題には必要な取り組みを行う」と明記、社会保障費の抑制方針とは「別枠」で歳出を確保する方針を示した。例外扱いを認めることで、歳出削減のタガが緩む懸念が出てきた。』

社会保障費全体として年間2200億円削減という政策は青色吐息の医療現場にとどめの毒を盛る様なものです。日本の肥大化した公共事業費はどのように扱うのでしょうか....ココまではみえてきません。

『福田首相は同日の諮問会議で「重要施策に必要な歳出は財源を捻出(ねんしゅつ)したい」と表明。財源手当てとして「ムダ・ゼロの徹底や(09年度から一般財源化する)道路特定財源の見直し」などを挙げた。ただ、道路予算の大幅な削減には自民党内や地方の反発が強く、調整難航は必至の情勢だ。』

現在、日本はすさまじい借金大国です。何らかの方法で歳出削減を考慮しなければならないのは十分理解できます。でも、この状況に至って、新たな道路を作るのはどうでしょうか?福祉や医療を軽視し、ひょっとすると余り使われないかもしれない道路にお金をつぎ込む。そのための財源確保のため社会保障費が削られるのであれば国民としても納得がいかないものではないでしょうか...?

ホントに社会保障費が増えて、患者さんに益する医療ができるといいなと思います。

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2008年6月17日 (火)

とうとう来ましたか...

2008年6月17日 曇り

うーむ、とうとう来ました。医師の診療科は細分化されていますが、それは非常に専門性の高さが要求されるからです。そして、診療科を選択する自由はこれまで保障されていました。(一部のJ医大などでは、そうもいきませんでしたが...)防衛医科大学校では卒業して医師になり診療科を選択する際に、学校や国にいわれた診療科を選択することになるようです。この情報が巷間に流れれば、防衛医科大学校に入学する学生はいなくなるのでは??などと心配してしまいます。

僻地の産科医さまのブログより産科医療のこれから:防衛医大の6年生を一部御紹介させていただきます。

『防衛医大のお友達からメールがありました(>▽<)!!! なんか6年生がひどいことになっているようです。 防衛医大は埼玉県にあるのですが、 そこは日本で最も医師の少ない地域!

産婦人科ではこの春の緊急派遣で福島に医者をさらわれ、 当然のように退職者も出てとぼろぼろの人手不足。 もうみんなで馬車馬のように、日々暮している状態なのだそうです。

さて、そんな国が唯一動かせる「防衛医大」 では 今年からいきなり、 専攻する診療科を学校(と国)から指定されるようになる そうです。つまり、

「○○科には何人、○○科には何人行くように」 って事を今年度の卒業生が集められて言われたそうです。』

極めて個人的な意見ですが、『医師はある程度普遍的なプライマリーケアができて、その上で自分のスペシャリティー(専門の科目)を持つべきであろう』と思っています。しかし、このスペシャリティーは自分で選択することが必要です。そうでなければ、医業を続けるモチベーションが失われてしまうでしょう...。

医療に対する国の施策は最近...どれも、先を読めていない後手後手にまわったもののような感を禁じ得ません。防衛医科大学校から産科医を徴収したことについても、ネット上の医療界では....こういう展開になることは予想されていたことです。

後手後手に回り、次から次へと失策を繰り返す官僚の方々には、そろそろ医療政策の土俵から退場していただきたい!と切に思います!

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2008年6月15日 (日)

社会舗装国....

2008年6月15日 雨
結構な土砂降りです。

日本は先進国の中でも、社会保障費よりも公共事業費の方が突出している特異な国であることを以前より書いています。本田宏先生はその講演の中で日本を模して「社会舗装国」としました!コリャ、言い得て妙です。

近畿自治体病院交流集会:地域医療を守ろう 埼玉の医師が記念講演−−大津 /滋賀 6月15日15時1分配信 毎日新聞
魚拓

『崩壊は加速の一途
 「日本の医療は非常事態」——。後期高齢者医療制度など国の医療費抑制政策や、医師不足、地方財政悪化などで窮地に立つ地域医療を守ろうと、公立病院の関係者らが集まり、大津市雄琴6の琵琶湖グランドホテルで14日、「第18回近畿自治体病院交流集会」を開催。「医療制度研究会」副理事長で、埼玉県済生会栗橋病院副院長の本田宏医師が「正しい知識を伝えないと医療崩壊は加速の一途をたどる」と講演し、参加した約200人は真剣に聴きいった。』

医療崩壊の限界点はひょっとすると既に過ぎてしまったのかもしれませんが....。多くの人々に現状を理解していただくのは重要で必要なことです。

『医療費最低、自己負担は最高
 本田医師は「日本の医療制度の問題点と解決策」をテーマに、まず「日本の医療費は先進国中最低で自己負担額は最高」と紹介。米国からの視察団が「患者が雑魚寝(入院病室が大部屋)でまるで50年代のよう」と驚いたことを挙げ、「大部屋も『3時間待ち3分診療』も普通と思っているから危ない。欧米人は日本で入院したがらない」と明かした。』

確かに、普通ではないでしょ...現状は...ね。

『ささらに、日本の医師数26万人は人口当たり世界63位で、先進国で作る「経済協力開発機構(OECD)」の平均から14万人不足していると指摘。300床規模の日米の公立病院を比較すると、「ボストンの医師370人に対し、日本は39人。秘書やレジデント(研修医)に至ってはゼロで、途上国並み」と説明。会場に「人が余っている病院はありますか?」と問いかけても、手を挙げる人はいなかった。』

14万人不足している上に、環境によりシフトしてますので....驚く様な医師不足が出現してます。

『一方で、日本の道路密度は先進国でも群を抜いて高く、本田医師は「日本は社会保障国ではなく『社会舗装国』」と批判。「国は『医師は年3000〜4000人増えている』とごまかすが、それではOECDの平均に届くだけで40年かかる」と断じ、「このままでは医療ばかりか日本が崩壊する。食い止めるのは国民みんなの社会的責任。周りの人に現状を伝えてほしい」と呼びかけていた。』

医療崩壊においては、既にもう遅いという意見もありますが...多くの方々に理解してもらる努力は続けるべきです。

しかし、この「社会舗装国」という例えは、ずいぶん洗練されていると感じます。

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2008年6月14日 (土)

邂逅

2008年6月14日 晴れのち曇り

東北地方で大きな地震がおこり、少なくとも3名の方々が亡くなりました。御冥福をお祈り申し上げます。

さて、今日は第43回日本小児腎臓病学会が福岡市にて開かれており、一部出席できました。急用が生じて途中棄権(笑)でしたが、有力なブロガーとお会いしました。ブログ「印旛沼の風」を書かれているクーデルムーデル様です。予想通りの爽やかな出で立ちの青年医師でした。

きくところでは、3人の小児科医で頑張られておられるとのこと...。地域の人口規模を考えると、決して楽な状況ではないでしょう。お互い、頑張りたいものです。

小児泌尿器の教育講演では、画像診断の話の中で、Gd-DTPAを使用したMRU(MRIを使用した尿路造影)のお話を聞くことができました。今後のため検討してみたいと思います。

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2008年6月13日 (金)

壊死性リンパ節炎

2008年6月13日 晴れ
蒸し暑い一日でした。

壊死性リンパ節炎は現在では組織球性壊死性リンパ節炎と呼ばれることが多い様です。1972年当時、福岡大学第1病理学教授であった菊池昌弘先生により報告されたとされています。その特徴は「比較的若い女性に多く、初め前駆症状として 扁桃腫大をともなう上気道症状が発現し、それとあい前後して主に側頚部の皮下リンパ節腫大と白血球減少をきたし、腫大リンパ節に壊死巣が存在し、組織球と大型のリンパ球が増殖しているが、好中球などの浸潤は見られないという特異な組織学的所見が見られる全身性の病気」とされます。

リンパ節腫脹はその中に、悪性リンパ腫やその他の悪性疾患の表現としてとらえらることがあり、その診断にはリンパ節生検が必要になることも多いといえます。

ココからは私の経験にもとずいて、作り上げたフィクションとなります。

数年前に経験した患者さん。

8歳男児 1週間前程から「首が痛い」と訴えていた。そのうちに、頚部にシコリができて受診。頚部にゴロゴロとしたリンパ節を触れ、圧痛は僅かにある様子。貧血はなく、肝脾腫はみられず、血液検査では白血球2,400/μlと白血球減少を認めるのみで、CRP 1.22と炎症所見も僅かであった。とりあえず、抗生剤を処方して経過を観察したが、リンパ節腫脹は変化なく、白血球も2,500/μlと減少が続いていた。

その数日後、38℃代の発熱があり再診。頚部の痛みが、やや強くなっており、相変わらず白血球数は2,300/μlと白血球減少がみられていた。肝由来酵素のGOT/GPTはそれぞれ30/46と明らかな上昇はみられず、LDHのみ350と軽度増加。フェリチンは120と増加なし。リンパ節生検も含め、入院して観察とした。この時、御両親には1.悪性リンパ腫、2.ウイルス感染にともなうもの、3.壊死性リンパ節炎などの可能性をお話ししリンパ節生検の必要性を納得していただいた。

入院後は、40℃に及ぶ高熱が持続。数日間続いた。この間も炎症所見は極軽度で上昇せず、また、抗生剤も使用していたが解熱しないことなどから、いわゆる細菌感染によるものではないことが示唆された。白血球は相変わらず3,000/μl以下を推移。頚部より、リンパ節生検を行いスタンプ標本を鏡検。血液の上級医師とともにのぞく。

モノクローナルなリンパ球増加はなさそうであった。所々に、細胞質の明るい貪食細胞(マクロファージ)がリンパ球の核と思われる部分を細胞質内に取り込んで貪食、破壊している像がみえる。弱拡大でみると、リンパ球の密集した部分と貪食細胞の明るい細胞質が...あたかも星空のようにみえる....。starry-sky appearanceって、何か聞いたことあるな....。バーキットリンパ腫??
病理の結果を待つことにする。

骨髄穿刺では、芽球の増加はみられず、貪食像も多くない...。術前に施行した胸腹部CTでは特に縦隔、腹腔にはリンパ節の腫大はみられない。

そのうちに、解熱しリンパ節の疼痛も軽快してきた。しかし、相変わらず白血球数は低下したまま...。食欲は今ひとつ....下血などはみられない。

病理の結果が数日後に返却されてきた。Histiocytic ncrotizing lymphnode adenitis- Kikuchi's disease: 組織球性壊死性リンパ節炎との診断。よかった...良性で....。

熱は下がったが、リンパ節の疼痛は持続、白血球も減少傾向にあることからステロイドによる治療を行い、退院とした。

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2008年6月12日 (木)

浅はかすぎる...

2008年6月12日 雨のち曇り

制度を作る時に参考にする基礎データが「参考にするべきでないデータ」の場合、その制度は意味をなさないことになります。そして、この浅はかすぎる行動は国の診療報酬を決める際にもみられていました。

診療報酬改定めぐり、異なるデータ使用か 6月12日22時40分配信 医療介護情報CBニュース
魚拓

『4月の診療報酬改定で、医師が再診時に算定することができる「外来管理加算」の要件に“5分ルール”が導入されたことについて、厚生労働省が中央社会保険医療協議会(中医協)に提出した参考資料が、外来管理加算とは関係がない時間外診療に関する調査データを基に作成されたことが、全国保険医団体連合会(保団連)の情報開示請求で明らかになった。保団連は「外来管理加算の対象となる再診患者に対する診療時間に基づいておらず、調査データの不正流用だ」と指摘。一方、厚労省は「今後の診療報酬改定の検討資料とすることを目的に実施した調査で、不正流用には当たらない」と説明している。保団連は6月12日までに、参考資料がどのように作成されたのかなどをただす質問状を厚労省に提出した。』

外来管理加算とは関係がない時間外診療に関する調査データを基に作成されたことが、全国保険医団体連合会(保団連)の情報開示請求で明らかになった。ということです...。どうやっても、医療費を削るという目的を強く感じます。医療崩壊にも拍車をかけるでしょう。

『しかし、厚労省の原徳壽医療課長が昨年12月7日の中医協基本問題小委員会で、「内科診療所における医師一人当たりの患者一人当たり平均診療時間の分布を調査したところ、平均診療時間が5分以上である医療機関が9割という結果だった」とした資料=グラフ参照=を提示。外来管理加算の時間要件(“5分ルール”)が決定した。』

強引に決められた経緯があるのですね....。

『しかし、資料では、平均診療時間が30分以上という医療機関が圧倒的に多く、疑念を持った保団連が情報公開法に基づき、厚労省に資料(グラフ)の出典開示を請求した。その結果、外来管理加算の対象となる再診患者に対する診療時間の調査は実施されておらず、厚労省が2007年度に業者委託して実施された「時間外診療に関する実態調査結果」の数値を基に作成されたことが分かった。』


200806123

内科での診療は恐らく20分から30分程度かかることが多いと思います。しかし、多忙な時には、そんなこと言ってられません。次から次にくる患者さんをこなして行かなくてはなりません。5分どころか3分でも回らないと考えます。時間要件は意味がありません。

『これに対し、保団連は「外来管理加算の時間要件という全く別の目的に使用したのは、明らかな不正行為と考えられる。しかも、厚労省の資料は、診療時間を患者数で割っただけの単純なもので、外来管理加算の算定要件に規定されている『診察時間』と著しく乖離(かいり)している。4月以降、全国の医療現場で大変な混乱が生じており、開示請求で根拠が崩れた“5分ルール”を、すぐに撤廃することを求める」などと、厚労省に強く抗議している。』

医療者をだまし討ちにするような根拠のない診療報酬改定はすぐにでも見直すべきです。厚生労働省は汚く、そして浅はかすぎる...。

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2008年6月11日 (水)

作り置き....

2008年6月11日 雨 土砂降り

本当に点滴を作り置きして...いたならば。感染事故が起こっても不思議ではありません。以前、セラチアだったか?脳外科の病院で敗血症による連続の死亡事故が起こった際も、中心静脈カテーテルの閉塞を予防するために使用するヘパリンというクスリを使い回ししていたことが原因となったといわれています。

<点滴被害>院内感染か 院長「看護師が薬作り置き」と陳謝 2年前にも症状 6月11日12時20分配信 毎日新聞
魚拓

『三重県伊賀市の診療所「谷本整形」で点滴治療を受けた患者らが腹痛、発熱などの症状を訴え、1人が死亡した問題で、診療所の谷本広道院長は11日、看護師の一人が点滴薬剤の「作り置き」をしていたことを明らかにした。発症との因果関係は分からないという。』

まずは、この事故により亡くなられた患者さんに、深甚なる哀悼の意を表します。
発症との因果関係を証明するには、点滴から細菌を検出し、その細菌が患者さんから検出されなければなりません。通常、非常に特殊なクスリでなければ数時間の作り置きはまず問題にならないと思いますが....。どの程度の時間、作り置きしたのでしょうか?

『三重県と県警などによると、これまでの診療所への聞き取りなどで▽点滴に使った鎮痛薬「ノイロトロピン」などのアンプルは調合済みのものが使われ、濃度や量を間違えた可能性は低い▽人為的に毒物などを入れた形跡は現時点では見つかっていない▽50人以上の患者が点滴を受けているのに、発症者は60〜80歳代の体力の落ちた高齢者に集中−−などが判明。点滴で細菌感染が起きたとの見方を強めた。』

真相はどうなのか?事故を防止するために何をすればいいのか?責任問題のみに終始せず、医療の現場に益する情報が広く伝わることを希望します。

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2008年6月 9日 (月)

恐怖

2008年6月9日 晴れ

突如出現した2トントラックにひかれる恐怖。
そのトラックが止まった後、その運転席から飛び降りた狂人に、追いかけられ....。ナイフで刺される恐怖。
急速に薄れていく意識の中で、被害者の方々は何を思ったのでしょうか?

背景に社会の不条理があるにせよ、これだけ多くの罪のない方々を殺めたことは....許されざるものです。殺人は「被害者に対して弁明する機会を与えない最悪の犯罪」であると考えます。再犯の問題もあり、このような犯罪を起こしたものは、生涯において社会にもどることのない刑罰を与えられるべきであろうと...。

それが、弁明する機会も与えられず社会から退場させられた被害者の方々と、この狂人との間に横たわる罪と罰のバランスをわずかながら負より正に戻すものとなるでしょう....。

どうか、被害者の方々の魂が少しでも和らぎます様に....。

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2008年6月 5日 (木)

官僚の思惑...

2008年6月5日 晴れ

朝は靄がかかっていましたが、久しぶりの爽快な天候でした。

医療介護情報CBニュースに痛快な記事が...全文を引用します。
療養病床削減は「民間病院を減らす手段」
魚拓

『療養病床削減は「民間病院を減らす手段」
6月5日22時24分配信 医療介護情報CBニュース

 自民党の木村義雄衆院議員は6月4日、「療養病床問題を考える国会議員の会」(会長・中山太郎衆院議員)の会合で、療養病床削減について、「『民間病院を減らしたい』という官僚の発想から出たもの」と述べ、民間病院の病床を削減する格好の手段だったとの見方を示した。

 木村議員は意見交換の中で、「なぜ療養病床が削減になったかというと、療養病床は民間病院に多い。ベッド数削減に当たって、『公的病院ではなく民間病院を減らしたい』という官僚の発想から言うと、療養病床を減らすのが一番よかった。療養病床は圧倒的に民間病院にあり、官の病院にはわずかしかないから、『狙われた』ということだ」と述べた。

 また、「介護保険はゴールドプランや新ゴールドプランで受け皿の基盤整備をとことんやってからスタートしたからよかった。ところが療養病床削減は、全くそれをやらず、受け皿を後から考えるという議論だ。『あんた死刑だよ』と言っておいて、残りの期間どうやるんだということ」と指摘。高齢者の受け入れ先を整備しないままの見切り発車だと批判した。』

いやはや...思ったことをズバッと言い切ってます。(笑)お役人さんたちの(言い方は悪いですが...)計略だったのですね....。日本では公共事業費を何とかして減らす方向に動かなくてはなりません....医療費をこれ以上、削ればいろいろな所に歪みが生じます。産業構造自体の変革が必要なのかもしれませんね...。

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2008年6月 4日 (水)

気管カニューレの交換

2008年6月5日 曇り時々雨

何らかの原因で人工呼吸が長期間にわたり必要となる患者さんには気管切開を行うことになります。気管切開は気管の中に直接管を留置する手技です。通常、第2~3気管軟骨輪上に実施されます。これは、第1気管軟骨輪の損傷は肉芽形成が起こりやすく第5気管軟骨以下では気管腕頭動脈瘻のような合併症の危険性があるためで、その位置が一番合併症が少ないからです。さて、気管に前から孔をあけて、そこにカニューレという管を留置することになりますが....。これを定期的に交換しなければなりません。その、交換時には結構、気を使うことになります。
気管の後ろ側は薄い皮の様になっており、これを突き破った場合は縦隔、食道に達します。気管切開孔に用いる気管カニューラはその形がカーブしており、こういった合併症を起こしにくくなってはいますが...気管切開孔にも肉芽が形成されるので、徐々に狭くなってきます。カニューラを気管切開孔に通す時に、チカラが必要になってきます...。鈍い感覚で、その部分を通っていくので...嫌な感じなのです。

新聞報道を引用するにあたり、お亡くなりになった85歳女性の患者さん及び御遺族の皆様に深甚なる弔意を表します。

◎富山市民病院 気管挿入ミスで窒息死
魚拓

『富山市民病院(泉良平院長)で昨年五月、二十代の男性医師が同市内の女性患者=当時 (85)=に対し、呼吸を確保するための「気管カニューレ」を使用する際に誤って気管 を破るなどして装着したため、女性が窒息死していたことが二日、分かった。同病院から 届け出を受けた富山中央署は、業務上過失致死の疑いもあるとみて慎重に捜査している。』

残念な事故です。お亡くなりになられた患者さんに、哀悼の意を捧げます。

『富山市民病院によると、女性は昨年四月、急性硬膜下血腫のため入院し、血腫の除去手 術を受けた後、集中治療室を経て一般病棟に移った。五月下旬、男性医師が気管カニュー レを交換したが、約三十分後に心肺停止状態になっているのを女性看護師が見つけた。病 院側は心臓マッサージを施すとともに、強心剤の投与などを行ったが、女性は約二時間後 に死亡した。』

急性硬膜下血腫の手術のあと、少なくとも1ヶ月以上に渡り気管切開が必要な状態であるというのは、人工呼吸器が手放せない状態であったのか?それとも、舌根が沈下するため気道確保の方法として気管切開を維持し続けたのか?いずれにしても重症です。気管切開がなければ生きれない状態であったのでしょう...。

『病院側によると、気管カニューレは気管の奥を突き破る不完全な状態で装着され、気道 が十分確保されていなかった。さらに、男性医師は気管カニューレの交換後、正常に呼吸 しているかについて十分な確認を怠った。』

少し悪意を感じてしまうのは仕方がないのでしょうか?「十分な確認を怠った」という表現は、側にいなければ書けないことではないでしょうか?過失はあったかもしれないが、少なくとも悪意をもって、この処置を行った訳ではないでしょう。このような事故は頻度は少ないかもしれませんが、100%起こりえないというものではありません。医療に完全はないのです。結果は悪かったが、最大限の努力をしたと感じる表現はなかったのか?いぶかしみます。

『今回の医療事故は、発生から一年以上を経過しての公表となった。富山市民病院は昨年 二月に医療事故等公表基準を設けおり、患者の死亡時には半年をめどに速やかに公表する ことになっている。同病院は、示談が成立するまで遺族の同意が得られず、公表が遅れた としている。』

これは当たり前のことでしょう!遺族が公開への同意を示さなければ、報道陣に公開することはできません。遺族の同意を得られたならば、半年以内に公開していたと考えます。報道の「医療側を悪者にいしよう」という悪しき意図が見え隠れします。

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2008年6月 1日 (日)

維持するには何が必要か?

2008年6月1日 曇りのち晴れ

今日はNHKのETV特集で夕張の状況が流されていました。地域の医療を維持するためには何が必要なのか?規模を縮小し、患者さんを在宅で診る様にして、無駄を省きました。市立病院であった時の職員さんは一旦解雇し、受け手となる医療法人に再び雇用します。ギリギリまで削り、年間4億の収益がでました。しかし、暖房光熱費に5000万近く支出。運営は厳しくなりました。

市には、援助を求めても「出せない」の一点張り。民間である医療法人には破綻の危機が迫ります。

公設民営で医療施設を運営する場合、公は医療を行う場所を提供します。中身の運営は民間の団体にまかせます。最低限の施設の管理は公に責任があるのでは?運営上、問題のあるレベルであれば、実効性のある解決策を示さなければならないでしょう。

それを、先送りにし...法人の運営方法に問題があるとした夕張市の対応には反吐(へど)がでます。

今後、このような自治体病院が増えるし、私の在籍する病院もどうだかわかりません....。お役人さんとの対話の方法も身につけておかなければいけないでしょう....。

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