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2008年6月30日 (月)

DPCについて

2008年6月30日 曇りのち晴れ

DPCについては以前のエントリーで触れました。DPCにはいい面と悪い面があり...悪い面が前面に立たないようにするべきです。また、現在の風潮は「全ての急性期病院でDPCを採用すべし」ですが...それは危険....。これまでも、厚生労働省はハーメルンの笛よろしく、甘い汁で病院群をその土俵に導いては、土俵から突き落とすような所業を繰り返してきました。すべての急性期病院がDPCの土俵にあがったとき、それまでの歴史が繰り返される可能性は否定できないでしょう。

DPCへの理解求め日医に働き掛け―日病協 6月30日14時30分配信 医療介護CBニュース

『日本病院団体協議会(議長・山本修三日本病院会会長)は6月27日の代表者会議で、投薬や注射、入院などの費用が病名ごとに決められた一日当たりの定額制になる診断群分類別包括評価(DPC)について、病院団体としての考え方を整理した上で、日本医師会に理解を求めていく方針を決めた。診療報酬改定関連の具体的な対応を話し合う実務者会議で今年夏をめどに意見集約し、日医に働き掛ける。』

日本病院会は診療情報管理士という資格を認定する資格者を養成する通信制学校をもっています。そして、この診療情報管理士はDPCの導入と深い関わりをもっています。平たくいいますと....診療情報管理士がいなければ、その病院はDPCを導入できないとまでいえそうです。つまり、日本病院会としてはDPCが拡大して、診療情報管理士の養成数が増えると...自身に対する何らかの利益がある。とみることができます。

そのような立場であれば、DPCに対して異を唱えることはできないでしょうね....。

『その上で、出来高による算定にもモラルハザードの問題が付きまとうと指摘。「モラルハザードがあるというだけでは、DPCを批判する理由にはならない。もしもモラルハザードがあるのならば、それをなくせばいい」と強調した。日医の主張についても、「おそらく理解不足があるのかなと思う」との認識を示し、DPCに対する病院団体のスタンスを説明していく考えを示した。』

確かに、出来高でいっても、逆の意味であるモラルハザードは生じるでしょう。しかし、必要な治療であっても経済的な観点から施行できないという事態は生じません。この潮流に乗っていくと、アメリカ型の医療にたどり着くようで....心配はつきません。

すべての病院がDPCに乗ってしまって、厚生労働省がズバっと給付する金額を下げてしまったらどうでしょうか?病院のみならず、患者さんにも大きな被害が出そうです。前にならえ方式でこの波に乗るのは今ひとつオススメできません。

本日、参照させていただいた記事です。

『DPCへの理解求め日医に働き掛け―日病協

6月30日14時30分配信 医療介護CBニュース

 日本病院団体協議会(議長・山本修三日本病院会会長)は6月27日の代表者会議で、投薬や注射、入院などの費用が病名ごとに決められた一日当たりの定額制になる診断群分類別包括評価(DPC)について、病院団体としての考え方を整理した上で、日本医師会に理解を求めていく方針を決めた。診療報酬改定関連の具体的な対応を話し合う実務者会議で今年夏をめどに意見集約し、日医に働き掛ける。

 DPCをめぐっては、日医が11日、医療内容の変質や患者の負担増、医療機関経営のモラルハザードを引き起こしている恐れがあるなどの問題点を指摘。患者の視点からの実態調査を早期に実施し、問題が認められる場合には拡大を凍結することなどを主張していた。

 これに対して山本議長は27日、代表者会議終了後の記者会見で、DPCについて「あくまで病院の医療の質を上げて、なおかつ経営的にしっかりとやっていけるようにする仕組みと位置付けている」と、前向きなとらえ方を示した。

 その上で、出来高による算定にもモラルハザードの問題が付きまとうと指摘。「モラルハザードがあるというだけでは、DPCを批判する理由にはならない。もしもモラルハザードがあるのならば、それをなくせばいい」と強調した。日医の主張についても、「おそらく理解不足があるのかなと思う」との認識を示し、DPCに対する病院団体のスタンスを説明していく考えを示した。

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コメント

DPCというか包括化について。
医療者側が患者に対して、必要な医療行為を行えなくなる危険性を感じています。
出来高制がそんなに悪いのか。一部の医療者が不正行為や不必要な医療行為を繰り返しているとして、その解決策は包括化のような手段しかないのか。
そんな疑問があります。
不必要な医療行為に関してそれを本当の意味で「適正化」していくために、どのようなお考えをおもちでしょうか。
よろしければお聞かせ願いたいです。

投稿: よしだ | 2008年6月30日 (月) 23時25分

このエントリー、また釣られます(笑。

モラルハザードと昨今あちこちで口にされるが、人類の歴史はモラルハザードの歴史です。小手先の対応でどうなるものではありません。医療に関してはモラルハザードが、過剰医療に傾く場合と過少医療に傾く場合とどちらが好ましいのかということを考えています。

生命という価値を考えるとき、過少医療のほうが含有する陰性要素が多いと私は考えています。befu様、いかがでしょうか?

投稿: 雪の夜道 | 2008年7月 1日 (火) 13時41分

よしだ さま

コメントありがとうございます。

>不必要な医療行為に関してそれを本当の意味で「適正化」していくために、どのようなお考えをおもちでしょうか。
よろしければお聞かせ願いたいです。

との御質問ですが....医療費の総額を減額させることが出来る方法として考えているのは、やはり予防医学です。我が国は、残念ながら予防医療については非常な遅れをとっていると思います。予防接種一つをとっても然りです。投薬や処置といった、お金がかかる医療の形態から、未然に病気の発生、進行を防ぐ手だてを評価して行くべきであろうと考えます。

ただ、そういった予防医学を行った上でどうしても避け得ない疾病に関しては、手厚く給付を行うべきであり、それに対しては包括という考え方を当てはめてはならないと感じます。

投稿: いなか小児科医 | 2008年7月 1日 (火) 21時37分

こんばんは

雪の夜道さま

コメントありがとうございます。

>生命という価値を考えるとき、過少医療のほうが含有する陰性要素が多いと私は考えています。befu様、いかがでしょうか?

過少医療はアメリカのシッコしかり...『カネがないから、2本切断した指のうち1本しかつなげない』ということですよね....。当然、生命の質は過剰なものよりも落ちると考えます。

DPC、包括医療が進めば、当然、こういったコトに帰結します。全ての医療施設がこの波に乗って行くことは危険ですね...。

投稿: いなか小児科医 | 2008年7月 1日 (火) 21時42分

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