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2008年4月13日 (日)

まさに『隔靴掻痒』

2008年4月13日 雨
一日ドンヨリ曇ってます。

『隔靴掻痒』という言葉をひもとくと...「(靴の上からかゆいところをかく、の意から)思いどおりにいかなくて、もどかしいこと。 」という意味がみえてきます。我々、末端で働く医療者は最近常日頃このような感覚に襲われているのではないでしょうか...。

【厚労省のカルテ】(2)医師不足、消えぬ現場の悲鳴 4月13日8時1分配信 産経新聞
魚拓

『「馬1頭あげます」。柳田国男の民俗学研究で知られる岩手県遠野市が、昨年からユニークな医師募集を始めている。市内唯一の公立病院である遠野病院に来てくれる医師に、地元で育った馬1頭(500万円相当)を与えるというのだ。

 「それだけ医師不足が深刻ということ」と市の担当者。入院と外来合わせて、1日平均820人の診察をこなす遠野病院だが、常勤医師は9人しかいない。「とりわけ産婦人科、整形外科、循環器科は遠方からの応援医師だけで対応している状態。診療日が週1日しかない科目も多い」

 奇抜な募集策への応募はまだない。「むしろ、現場医師から『金やモノではつられない』といった反発も少なからずあった」と担当者は苦笑する。』

私であれば、「馬一頭あげるから来て」と言われた場合...行かないでしょうね。むしろ、相当状況が悪いんだな...と勘ぐってしまいます。

『一方で、厚労省は「医師不足なのではなく医師偏在だ」という姿勢を長くとってきた。人口減などを見越した医師数の将来推計で、「平成30年代には医師数が過剰になる」といった見通しが根拠になっている。医師増加が医療費の増大になるという理由で、医学部定員を削減した時期もある。』

医療費の増大を抑えるために医学部定員を減らしたという大きな過ちが....現在に色濃く影響しています。医療費はそもそも減らす必要があるのか??ココは重要な観点です。

『地域医療問題を研究している東北大の伊藤恒敏教授は「厚労省の政策は付け焼き刃的で、合理性や一貫性がない。厚労省は現場の声を知らなすぎるから、実態と離れた政策が出てくる」と批判する。

 ある厚労省幹部は「現場で起きている問題を細かくとらえて、早くに政策を見直す必要性があったのかもしれない」と漏らす。

 厚労省と医療現場にある隔たりに敏感に反応しているのが、患者である国民や医療関係者らの声を拾っている国会議員たちだ。2月に立ち上がった「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」には超党派で100人を超える議員が名前を連ねた。鈴木寛議連幹事長は「医療の現場からは悲鳴にも似た声が届いている」と話す。』

机上の論理だけでは、現場は上手く回って行きません...。本当の問題は、霞ヶ関にいても解らないでしょう。現場と乖離した政策は、大きな傷跡を残して崩れ去ります。太平洋戦争での苦い経験は、国には生かされていないのでしょうね...。

『勤務医の労働条件をどうするかは、われわれは触ることはできない。今回加算された診療報酬をどう使うかは、病院経営者の判断だ」と厚労省幹部。

 議連の仙谷由人会長代理がこう切って捨てた。「隔靴掻痒(かっかそうよう)の感がある。病院の現場のことは知らないというのか」』

これは圧巻...。まさにその通り。医師免許を持っている厚生労働省の医官の方々は、臨床の最前線で数ヶ月単位働いてみることです!本当の現場の苦しさを、身をもって経験し、我々に『隔靴掻痒』の感を感じさせないようにしてほしい...。

本日、参照させていただいた記事です。

『【厚労省のカルテ】(2)医師不足、消えぬ現場の悲鳴
4月13日8時1分配信 産経新聞

 「馬1頭あげます」。柳田国男の民俗学研究で知られる岩手県遠野市が、昨年からユニークな医師募集を始めている。市内唯一の公立病院である遠野病院に来てくれる医師に、地元で育った馬1頭(500万円相当)を与えるというのだ。

 「それだけ医師不足が深刻ということ」と市の担当者。入院と外来合わせて、1日平均820人の診察をこなす遠野病院だが、常勤医師は9人しかいない。「とりわけ産婦人科、整形外科、循環器科は遠方からの応援医師だけで対応している状態。診療日が週1日しかない科目も多い」

 奇抜な募集策への応募はまだない。「むしろ、現場医師から『金やモノではつられない』といった反発も少なからずあった」と担当者は苦笑する。

 医師不足への同様の悲鳴は全国から聞こえてくる。とりわけ地方の状況は厳しい。医師用に住宅を用意したり、報酬とは別に研究費を用意するところもある。

 一方で、厚労省は「医師不足なのではなく医師偏在だ」という姿勢を長くとってきた。人口減などを見越した医師数の将来推計で、「平成30年代には医師数が過剰になる」といった見通しが根拠になっている。医師増加が医療費の増大になるという理由で、医学部定員を削減した時期もある。

 厚労省は研究機関「国立社会保障・人口問題研究所」を持つ。人口や社会保障費の推移は、ここで科学的に分析され、厚労行政の将来像をつくる際の根拠となってきた。

                   ◇

 医師不足に関しても、10、20年といったマクロでみた統計では、確かに厚労省の見通しに間違いはないのかもしれない。だが現場の悲鳴は、「大病院を頼りたがる国民気質」「訴訟リスクのある診療科を避ける医師気質」「過酷な勤務環境」「都市の病院を好む研修医の流れ」といったところに起因している。これらは人口や社会保障費の推移からは見えてこない。

 厚労省がそういった現場の実情を直視し始めたのは、ごく最近のこと。

 18年7月にまとまった報告書で、「医学部定員の暫定的調整」「大病院への患者集中軽減」といった提言を打ち出したのが転機となった。しかし、それとて実現させるにはいくつものハードルがある。

 地域医療問題を研究している東北大の伊藤恒敏教授は「厚労省の政策は付け焼き刃的で、合理性や一貫性がない。厚労省は現場の声を知らなすぎるから、実態と離れた政策が出てくる」と批判する。

 ある厚労省幹部は「現場で起きている問題を細かくとらえて、早くに政策を見直す必要性があったのかもしれない」と漏らす。

 厚労省と医療現場にある隔たりに敏感に反応しているのが、患者である国民や医療関係者らの声を拾っている国会議員たちだ。2月に立ち上がった「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」には超党派で100人を超える議員が名前を連ねた。鈴木寛議連幹事長は「医療の現場からは悲鳴にも似た声が届いている」と話す。

                   ◇

 3月末に開かれた議員連盟の会合。厚労省が4月から実施される医療関連政策を説明した。だが、医師不足がどうなるのか、勤務医の労働状況がどう変わるのかといった具体像が見えてこない。

 「勤務医の労働条件をどうするかは、われわれは触ることはできない。今回加算された診療報酬をどう使うかは、病院経営者の判断だ」と厚労省幹部。

 議連の仙谷由人会長代理がこう切って捨てた。「隔靴掻痒(かっかそうよう)の感がある。病院の現場のことは知らないというのか」

 厚労省側の反論はなかった。』

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