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2008年3月28日 (金)

デング熱

2008年3月28日 晴れのち曇り
湿度が高く、ムシムシした一日でした。

さて、最近行けた学会での症例報告。輸入感染症としてのデング熱を聞きました。聞き慣れない病名ですが...どのような病気でしょうか?Wikipediaから....

『デング熱(デングねつ、dengue fever)は、デングウイルス(dengue virus)による感染症。ネッタイシマカ(Aedes aegypti)やヒトスジシマカ(Aedes albopictus)などの蚊によって媒介される。「テング熱」と記されることがあるが、これは誤りである。「天狗熱」は当て字である。
潜伏期間は4日から7日。
デング熱は、一過性の熱性疾患で、東南アジア、インド、中米、南太平洋などに広く分布する。近年の、熱帯・亜熱帯地域の都市部におけるアウトブレイクには、急激な都市化が関連している。
突然の発熱、頭痛、眼窩痛、筋肉痛、関節痛が現れる。食欲不振、腹痛、便秘を伴うこともある。発症後3~4日後より胸部から非特異性の発疹が出現し、四肢、顔面へ広がる。四肢にかゆみを伴うことが多い。こういった症状は通常3~7日程度で消失し、回復する。』

現在のところワクチンはない。予防は蚊に刺されるのを防ぐことが重要。ヒトスジシマカは、日中活動し、室内にもひそむ。』

要約すると、デングウィルスの感染により発症する疾患。ウィルスは蚊により媒介され、潜伏期は4〜7日。症状は発熱、頭痛、筋肉痛などで、発症後3〜4日より胸部から発疹が出現し四肢へと拡大する。通常は3から7日で回復し後遺症を残さない。ワクチンは現在のところ存在しない。ということであろうと思います。

ただし、重症の病態があり...「デング出血熱」と呼ばれます。

『デング出血熱(dengue hemorrhagic fever)は、デング熱とほぼ同様に発症するが、特に流行地の小児において、発熱後、下血や出血を主とする重篤な致死的病態を示す。血管の透過性亢進がその基本病態であり、高確率で胸水や腹水が現れ、肝臓の腫脹、補体の活性化、血小板等の減少などが起こり、出血が続くと血液量の不足からショック状態(デングショック症候群)に陥ることもある。
デングウイルスの型は1類から4類まであり、同じ型のデングウイルスには感染することはないが、異なる型のデングウイルスに再び感染した場合にデング出血熱になる可能性がある。』

コワい病態です。そして、このウィルスに対する抗ウィルス剤は開発されておらず、ワクチンもありません。出血熱が発症すれば、根本的治療のないまま、支持療法で診て行くしかありません。

そして、熱帯の都市部などでアウトブレイクが散見されます。温暖化で、熱帯の蚊が日本で生息できる様になれば、日本もその例外とはならないでしょう....。

さて、記事はCNNより....
デング熱死者54人に、ブラジル・リオデジャネイロ州
魚拓

『リオデジャネイロ──南米ブラジルのリオデジャネイロ州でデング熱が流行しており、今年に入ってからの死者が少なくとも54人に達したと、同州の保健当局が27日に発表した。

病院では114人が死亡しているが、デング熱と確認されたのが54人で、残る60人については現在調査中。そのため、デング熱による死者は、さらに増える恐れがある。

今年1月からの感染者はリオデジャネイロ州だけで4万3000人を超え、昨年1年間の感染者2万5107人の倍近くになっている。』

まさにアウトブレイクです。根本的治療法のない感染症は恐ろしい....。

『死者のうち31人は、リオデジャネイロ市で発生した。また、約半数が13歳未満の子供だった。』

都市部での大流行ですね....。

『デング熱はマラリアと同様、蚊が媒介する感染症。厚生労働省検疫所によると、デング熱を媒介するネッタイシマカやヒトスジシマカなどは、空き缶にたまった水などでも繁殖するため、都会での流行も多いという。しかし、治療や対症療法だけで特効薬はなく、予防薬もないため、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防法だという。』

蚊から刺されることを予防するのには、蚊の繁殖を抑えることも含まれます。なかなか、難しいでしょうが....。抗生物質が発明されて、感染症はずいぶん治る病気になってきました。しかし、一部の感染症は、まだまだ不治の病となっています。

本日参照させていただいた記事です。

『デング熱死者54人に、ブラジル・リオデジャネイロ州
リオデジャネイロ──南米ブラジルのリオデジャネイロ州でデング熱が流行しており、今年に入ってからの死者が少なくとも54人に達したと、同州の保健当局が27日に発表した。

病院では114人が死亡しているが、デング熱と確認されたのが54人で、残る60人については現在調査中。そのため、デング熱による死者は、さらに増える恐れがある。

今年1月からの感染者はリオデジャネイロ州だけで4万3000人を超え、昨年1年間の感染者2万5107人の倍近くになっている。

死者のうち31人は、リオデジャネイロ市で発生した。また、約半数が13歳未満の子供だった。

リオデジャネイロ州の保健当局では、デング熱が発生する11月から5月だけではなく、年間を通じて媒介する蚊の対策が必要だと指摘。今年5月以降の対応によっては、来年の犠牲者はさらに増える可能性があると警戒している。

ブラジルのホテル協会によると、デング熱の流行でリオデジャネイロを訪れる観光客は、25%減少。経済面でも打撃を受け始めている。

デング熱はマラリアと同様、蚊が媒介する感染症。厚生労働省検疫所によると、デング熱を媒介するネッタイシマカやヒトスジシマカなどは、空き缶にたまった水などでも繁殖するため、都会での流行も多いという。しかし、治療や対症療法だけで特効薬はなく、予防薬もないため、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防法だという。』

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コメント

大戦中、長崎でも神戸でも流行していました。温暖化とは関わらずに、アウトブレークします。もっとも、反復感染しないと「出血熱」にはなりません。
http://pws.prserv.net/maki-j/dengue.htm

投稿: sionoiri | 2008年3月29日 (土) 23時32分

sionoiriさま
コメントありがとうございます。

大戦中の話は聞いたことがありました。熱帯圏でなくとも媒介する蚊が繁殖すれば、大流行する可能性があるということですね....。現在は輸入感染症としての位置づけですが、それは、日本における蚊の駆除が上手く行っているということでしょうか?ね....。

投稿: いなか小児科医 | 2008年3月30日 (日) 14時56分

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