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2008年3月23日 (日)

生体吸収型ステント

2008年3月23日 雨
久しぶりのまとまった雨です。風はあいかわらず強い。

さて、冠動脈ステントは薬剤溶出型ステントを使用する際、突然のステント閉塞を防止するために、長期間(というより止めることができない?)の抗血小板薬内服が必要となります。また、長期的予後もベアメタルステントに比較して良くないかもしれないとの研究もあります。

ある一定期間経過すると、ステント自体が吸収されてしまうものができれば、こういった問題もクリアーできると考えますが....出来てる様です。生体吸収型ステント....。


(3/20)有効性の高い新しいタイプの生体吸収型ステント

魚拓

『閉塞した冠動脈を拡張させる役目を終えた後、完全に生体に吸収されてしまう新しいタイプのポリマー製ステントに関して、数カ国で行われた臨床試験で良好な結果が得られたことが医学誌「The Lancet」3月15日号で報告された。』

画期的な発明と言えるでしょうね...。

『報告によると、31例中29例でこの生体吸収型ステントの留置に成功。1年の追跡期間中、ステントを留置した冠動脈に再狭窄が認められた症例はなかった。留置を受けた30人中1人が心臓発作を発症したが、それ以外の有害事象は認められなかった。ステントを開発した米Abbott Laboratories社の広報担当Karin Bauer氏によると、このステントについて現在複数の国で大規模臨床試験が進行しており、米国での試験も計画準備段階にあるという。』

まだまだ、少数例での検討ですので、これからどのような有害事象が起きてくるのか?見極める必要はありますが....機序からいうと期待できそうな医療材料です。

『この新しい生体吸収型ステントは、乳酸の骨格をもち、瘢痕(はんこん)組織の形成を防ぐ薬剤エベロリムス(免疫抑制薬)によりコーティング(被覆)されている。従来のステントは金属メッシュの管で、閉塞した血管を押し広げて血流を再開通させるために使用されるが、一度留置すると取り除くことができない。』

取り除くことが出来ない上に、シロリムスなどの血管内皮細胞の増殖を抑える薬剤がコーティングされており、ステント内部に細胞増殖による狭窄を来さない代わりに内皮細胞がないことによる、血液の凝固が起こりやすく、それを防ぐために抗血小板剤の内服が必要となる。と聞いたことがあります。
抗血小板剤を止めることが出来ない時には、留置後、何らかの疾患で手術が必要となった時、非常に具合が悪いコトになります。術中の出血が止まらない....手術ができないということにもなります。

『例えば、再狭窄は最初の6カ月以内に発生することから、ステントを永久的に留置する必要はないが、Abbott社のステントの材料となっているポリマーは、分解されて二酸化炭素と水になるため、血管内に異物が残ることがなく、血管の柔軟性が得られる。』

このステントが6ヶ月のあいだ、吸収されることなく、自分のオシゴトをしてくれればいいでしょう。ただ、早すぎる吸収は再狭窄を呼ぶでしょうね...。その部分で信頼性ができてくれば、臨床に応用できるでしょう。

本日、参照させていただいた記事です。

『(3/20)有効性の高い新しいタイプの生体吸収型ステント

 閉塞した冠動脈を拡張させる役目を終えた後、完全に生体に吸収されてしまう新しいタイプのポリマー製ステントに関して、数カ国で行われた臨床試験で良好な結果が得られたことが医学誌「The Lancet」3月15日号で報告された。
 報告によると、31例中29例でこの生体吸収型ステントの留置に成功。1年の追跡期間中、ステントを留置した冠動脈に再狭窄が認められた症例はなかった。留置を受けた30人中1人が心臓発作を発症したが、それ以外の有害事象は認められなかった。ステントを開発した米Abbott Laboratories社の広報担当Karin Bauer氏によると、このステントについて現在複数の国で大規模臨床試験が進行しており、米国での試験も計画準備段階にあるという。

 この新しい生体吸収型ステントは、乳酸の骨格をもち、瘢痕(はんこん)組織の形成を防ぐ薬剤エベロリムス(免疫抑制薬)に閉塞よりコーティング(被覆)されている。従来のステントは金属メッシュの管で、閉塞した血管を押し広げて血流を再開通させるために使用されるが、一度留置すると取り除くことができない。

 今回の試験を実施した施設の一つであるオランダ、エラスムスErasmusメディカルセンター(ロッテルダム)のPatrick W. Serruys博士は、吸収型ステントには多数の長所があると述べている。例えば、再狭窄は最初の6カ月以内に発生することから、ステントを永久的に留置する必要はないが、Abbott社のステントの材料となっているポリマーは、分解されて二酸化炭素と水になるため、血管内に異物が残ることがなく、血管の柔軟性が得られる。

 また、金属ステントは壊れると、その破片によって好ましくない反応が生じることもある。さらに生分解性ステントでは、将来の血管の伸長が金属で妨げられるようなこともない、とSerruys氏は説明している。今回の試験はこのほか、デンマーク、ポーランドおよびニュージーランドの施設で実施された。

 今後、5~7年の長期的な追跡が必要とされるが、それでもSerruy氏は「最初の試みでこれほどの好結果が得られたことに驚いている」と述べている。このステントの新型バージョンによる臨床試験が計画段階にあり、最初の試験と同施設で患者30人を対象に実施される予定。新型ステントは設計変更によりさらに強度が増すと思われ、これまで以上に良好な結果が見込めるという。この試験は今年(2008年)後半に開始され、成功すれば大規模な国際的試験につながるものと思われる。』

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