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2008年3月19日 (水)

ワーキングプア

2008年3月19日 晴れのち雨
あるところで入手した一文です。現在の日本における医療現場の苦悩が示されています。原典は2008年3月15日付け全国保険医新聞....。

『歯科医院を開業して15年になった。この間色々なことがあった。しかし総括して言えることは、日本の歯科医療行政がいかにでたらめで、歯科医療に携わる人々から多くを搾取してきたかと言うことである。
 経理には原価計算という方法がある。その物やサービスがどれほどのコストで作り出されているかという計算のすべである。しかし、他の業界では当たり前のそういう発想も医療現場にはない。原価割れの診療報酬で働かされるのは、長年の伝統とさえ言いたい。
 歯科臨床現場では、若い歯科技師をはじめ技工士に至るまで、新たに育てていく余力もなくなってきている。
 歯科医療は手仕事である。深く追求するにつれ、その奥の深さに日々うなり、保険の縛りがいかに技術を制約しているか感じる。つまり医療行政、医療経済という観点で見れば、すでに保険歯科医療は破綻している。
 女性歯科医師として、患者さんと接し過ごしてきた結果、結論として、歯科医を職業に選ぶのは後輩には今のままではお勧めできない。ワーキングプアな勤務医の実態は、家庭と仕事のおいしい両立などとは無縁だ。
 開業医の私も、出産の前日まで働き、3週間目には仕事に出ざるを得なかった。一人前の歯科医になるために投資した時間もお金も努力も、一人前になって取り戻すにはあまりに診療報酬は安すぎるのだ。
 しかし、現場のことを何も知らずに多くの優秀な学生さんが歯学部をめざす。歯科医になったら仕事の生き甲斐も、生活も未来も保証されていると言う幻想によって、優秀な人材を絞り込み、後は搾取し続け、日本の医療を担わせる。ほとんどこれは国家レベル詐欺ではないかとさえ思う。
 これから歯科医をめざす人はその努力と能力を国の奴隷になって捧げることだけにならないか、歯科医をめざす人に実態を伝えたい気持ちで一杯だ。』

マルメといわれる、包括計算では治療にかかるコストの方が、診療報酬より大きいことが、ママあります。そのような状況を放置している国には大きな責任があるでしょう....。日本の医療崩壊の元凶はこの部分にも潜んでいます。

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コメント

現役医師の方が書かれた、白衣の蟻たち
という小説でも優秀な若者達がぞくぞくと
このひどい医療労働環境に集まってきて
消費消耗されていく事態への嘆きが
描かれていました。

投稿: 匿名希望 | 2008年3月20日 (木) 07時38分

これ、私も読みました。暗澹たる気分になりましたね。何しろ歯科の現状は医科の未来といわれますから。

おまけに姪っ子が今年歯学部受験しているはずなので、余計に気が滅入ります。

投稿: 山口(産婦人科) | 2008年3月20日 (木) 09時00分

匿名希望さま

こんにちは
コメントありがとうございます。

この労働環境の中で、優秀な人材が文字通り「使い捨てられていく」のが悔しい限りです。国は、末端への医療費付け回しを、これからも続けるのでしょうね....。許されることではありません。

投稿: いなか小児科医 | 2008年3月20日 (木) 15時28分

山口(産婦人科)さま

コメントありがとうございます。
白状しますが...先生の投稿を拝借させていただきました。あまりに、悲しくココロ打つ内容でしたので...。

しかし、歯科の状況は厳しいですね....。それが、未来の医科の状況であるとすれば、自ら進んでこの世界に飛び込む人間がほとんど居なくなるでしょう。

投稿: いなか小児科医 | 2008年3月20日 (木) 15時32分

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