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2008年2月13日 (水)

医師は総数で不足している

2008年2月13日 雪
最大級の寒波がやってきています。こちらでは粉雪が舞う程度でした。

さて、厚生労働省は現在の医師不足について、『都市部などに医師が偏在するため地域によっては医師不足がおこっている』との認識を崩していませんでした。しかし、日本はOECD加盟国中ほぼ最低レベルの人口当たり医師数であることなどから考えて医師総数は不足しているのは明らかでした。

ようやく、国はその誤りを認めたようです。

医師「総数として不足」政府認める 2月13日18時9分配信 医療介護情報CBニュース
魚拓

『医療現場からの度重なる指摘にもかかわらず、これまで「医師は不足ではなく偏在」との見解を示してきた政府が、ようやく医師不足を認めた。2月12日に「医師は総数としても充足している状況にない」と閣議決定したのだ。あきらめずに現場から声を発し続けてきた医師は「まずは率直にうれしい。実際に施策に反映されていくことに期待したい」と話している。』

明らかに医師は総数で不足しており、医療現場はそのために崩壊しかけています。総数で不足していることを国が認めたがらなかったのは、恐らく医療費の圧縮を目論んでのことだろうと推論しています。病院勤務医1人が増えると年間1億程度医療費が増えると予測されています。医師総数の制限は、それだけで医療費の効果的な圧縮につながるのです。

さて、医療費は対GDP比にて約7%とアメリカ合衆国の約12%の半分程度です。そして、医療費と公共事業費を比較すると、公共事業費の方がはるかに多いとされています。更に、この状況は他の欧米各国とは反対の構図であるとされます。つまり日本では、『医療福祉を軽視して、その分のお金を公共事業に使っている』に加えて『医療費を更に削減してその分を公共事業に回そうとしている』のです!

道路、鉄道などのインフラはもちろん必要です。しかし、国民を支える医療や福祉をドンドン削って、その分をそちらに回す政策はいかがなものか?と感じます。

本日参照させていただいた記事です。

『医師「総数として不足」政府認める 2月13日18時9分配信 医療介護情報CBニュース

 医療現場からの度重なる指摘にもかかわらず、これまで「医師は不足ではなく偏在」との見解を示してきた政府が、ようやく医師不足を認めた。2月12日に「医師は総数としても充足している状況にない」と閣議決定したのだ。あきらめずに現場から声を発し続けてきた医師は「まずは率直にうれしい。実際に施策に反映されていくことに期待したい」と話している。

 医師不足問題をめぐっては、「このままでは医師が過剰になる」として、政府が1982年、医学部の定員削減により医師数を抑制するよう閣議決定したことが始まりとされる。その後も、93年、97年と、政府は段階的に医学部定員の削減を進めてきた。

 しかし近年、これに伴う弊害が各地で表面化。必要な医療が受けたいときに受けられなくなる「医療崩壊」が全国的に加速している。過酷な勤務を強いられる医療現場からは、早期の政策の見直しを求める声が続出していた。
 これに対して、政府はこれまで「地域や診療科ごとの偏在であり、医師の総数は増え続けている」と、医師不足を認めない見解を貫いてきた。

 このような状況の中、民主党の山井和則衆議院議員が政府に質問主意書を提出。分娩施設の減少や救急搬送の問題など実例を挙げながら、「現在も『医師は数的には基本的に足りている』という認識か」などと、政府の医師不足に関する見解を改めてただした。

 この質問を受けた政府は2月12日、閣議決定した後、「医師数は総数としても充足している状況にはないものと認識している」との答弁書を提示。答弁書には、05年7月の「医師の需給に関する検討会報告書」の内容や、現状に対する有識者などからの意見を踏まえた上での修正であることが示されている。

 現役外科医として診療に携わりながら、長年医師の増員を訴え続けてきた埼玉県済生会栗橋病院の副院長・本田宏氏は、今回の閣議決定について「政府はこれまで現場の指摘にかたくなに耳を貸さなかったが、ようやく私たちの声が届いた。これで現場にも夢がわいてくる。まずは率直に嬉しい」と評価。その上で、「実際にどのような施策に反映されるかが大事。これからの動きに期待していきたい」と話している。』

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コメント

はじめまして。私は現在ロンドンに住んでおります中学生です。私の将来の夢は小児科医になることなのですが、ロンドンに住んでいることもあり、なかなか現在の日本の小児科の問題点(例えば少子化による影響など)を知ることができません。もしよろしければ、今小児科が抱えている問題点などを少し教えていただけないでしょうか。

投稿: Kanon | 2008年2月14日 (木) 05時35分

遅ればせながら、

あけましておめでとうございます!

ブログ再開されることをずっと心待ちにしておりました。befu様の診療体制状況が改善されたのかどうか気にはなりますが、なにはともあれ余裕が生まれたことはおめでとうございます。

投稿: 雪の夜道 | 2008年2月14日 (木) 16時56分

こんばんは
Kanonさま

将来は小児科医を目指されているのですね...日本の小児科医がおかれている状況については、一度、エントリーにまとめてみたいと考えております。

近日中にまとめたいと思います。
コメントありがとうございました。

投稿: 管理人 | 2008年2月14日 (木) 18時08分

こんばんは
雪の夜道さま

ありがとうございます。
身辺はまだまだ賑やかですが...ブログは再開したいと思います。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

投稿: 管理人 | 2008年2月14日 (木) 18時10分

いなか小児科医さま、初めまして、アギトです。
先日はトラックバックを承認していただき、ありがとごうざいます。

仕事は大変ですが、なんとか前向きに頑張りたいと思ってます!ブログは趣味なので今後も楽しみながら続けていきたいです。

よろしければ相互リンクさせていただけないでしょうか?

僕のブログはIE6ではどうやらレイアウトが崩れているようなのですが、サイドにリンクを貼らせてもいますので、宜しくお願いします。

投稿: アギト | 2008年2月17日 (日) 22時43分

こんばんは
アギトさま

早速ですが、小児科関係のリンク集に加えさせていただきました。これからもよろしくお願いします。

投稿: 管理人 | 2008年2月18日 (月) 22時10分

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とある国立病院に勤務していたんですけど、これまた忙しい病院で、一般小児科も新生児も両方みないといけない病院でした。その病院での上司に40歳そこそこ、男性、体型はかなりのやせ型長身、覇気はない感じでどちらかというとかなり弱々しい先生がいらっしゃいました。... [続きを読む]

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