« 気管支攣縮と食道挿管 | トップページ | 死を選択する権利... »

2007年3月14日 (水)

中原先生の過労死認定

2007年3月14日 曇り
地域における医療は様々な原因から衰退の途をたどっています。医療を支える人員は確保を難しくなり、その労働環境は日に日に過酷となっていきます。その中で、自分の限界まで頑張って体を壊す、あるいは命を落とすなどのことはありうることです。中原先生の過労自殺の件については拙ブログでも昨年4月にとりあげました。→小児科医の遺言状そして、過労死認定を行わない労働基準監督署を相手取り起こした訴訟の判決が本日、東京地裁にてありました。全面勝訴です。

『東京都中野区の「立正佼成会付属佼成病院」の小児科医・中原利郎さん(当時44歳)が自殺したのは、過密勤務などでうつ病になったためで、労災にあたるとして、妻、のり子さん(50)が新宿労働基準監督署を相手取り、遺族補償給付の不支給処分の取り消しを求めた訴訟の判決が14日、東京地裁であった。

 佐村浩之裁判長は「欠員となる医師の補充に悩んだことや過密な勤務などが原因でうつ病にかかり、自殺に及んだ」と労災を認定し、処分の取り消しを命じた。』

小児科医の遺言状では、中原先生が自死を選ぶまでの過酷な勤務状況、そして病院の経営の中で「評価されない」小児医療の辛さが切々と綴られています。私自身も小児科医であり、とても他人事とは思えません。その時代からは若干、小児医療をとりまく環境は変化してきてはいますが、依然としてその不採算性から、この世界に飛び込む人員は不足しているといわざるを得ないでしょう。

『判決は、自殺の背景に、全国的に小児科医が不足している現状があったと指摘しており、医療行政にも影響を与えそうだ。』

厚生労働省にこの声が届きますように。

追記です。既に、動きは始まっていました。
勤務医開業つれづれ日記:【速報&お願い】小児科 故中原先生 過労死行政訴訟に勝訴 厚労大臣へ手紙を書こう!

http://www5f.biglobe.ne.jp/~nakahara/には中原先生の行政訴訟判決の速報が載せられています。その中で、国が控訴をあきらめるように、以下のpdfファイルをA4用紙に横に印刷して切り取って官製はがきに貼付けて厚生労働大臣に送ろうというキャンペーンが繰り広げられています。みなさん、ご協力いただければ幸いです。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~nakahara/youseihagaki.pdf

本日参照させていただいた記事です。

『過労自殺の小児科医に初の「労災」認定…東京地裁(読売新聞)

 東京都中野区の「立正佼成会付属佼成病院」の小児科医・中原利郎さん(当時44歳)が自殺したのは、過密勤務などでうつ病になったためで、労災にあたるとして、妻、のり子さん(50)が新宿労働基準監督署を相手取り、遺族補償給付の不支給処分の取り消しを求めた訴訟の判決が14日、東京地裁であった。

 佐村浩之裁判長は「欠員となる医師の補充に悩んだことや過密な勤務などが原因でうつ病にかかり、自殺に及んだ」と労災を認定し、処分の取り消しを命じた。

 判決は、自殺の背景に、全国的に小児科医が不足している現状があったと指摘しており、医療行政にも影響を与えそうだ。原告代理人によると、医師の過労自殺が訴訟で認められたのは2件目で、小児科医では初めてという。』

|

« 気管支攣縮と食道挿管 | トップページ | 死を選択する権利... »

コメント

とりあえずは、労災と認定されて良かったのですが。
あくまでも、地裁レベルですからね。
この運動も盛り上がって、国が控訴しなければ良いのですが。

投稿: Dr. I | 2007年3月14日 (水) 22時42分

署名用紙追加のためにアクセスしたら、署名の様式が変わっていました。厚生大臣宛に絞ることになったそうです。一枚5人署名できるので、この方が確かに経済的ではあります。

投稿: 山口(産婦人科) | 2007年3月15日 (木) 20時15分

勤務先の病院で22人分の嘆願署名が集まりました。急ぎ作業して投函します。
すこしでも役にたてればという思い、皆さんわかってくださいました。
ネットのチカラを感じます。

投稿: 雪の夜道 | 2007年3月16日 (金) 17時45分

Dr.Iさま

こんばんは
コメントをありがとうございます。

>あくまでも、地裁レベルですからね。
この運動も盛り上がって、国が控訴しなければ良いのですが。

仰る通りですね...。控訴しないで欲しい。辛かった裁判はこれで終わってほしいと思います。

投稿: 管理人 | 2007年3月16日 (金) 22時52分

山口(産婦人科)さま
こんばんは

コメントありがとうございます。
早速、使わせていただきました。→署名用紙

投稿: 管理人 | 2007年3月16日 (金) 22時58分

雪の夜道さま

こんばんは
コメントをありがとうございます。

>勤務先の病院で22人分の嘆願署名が集まりました。急ぎ作業して投函します。

すごいですね。私も、もう少し広げてみようと思います。

投稿: 管理人 | 2007年3月16日 (金) 23時00分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101068/14263317

この記事へのトラックバック一覧です: 中原先生の過労死認定:

» 小児科医中原利郎医師の過労自殺認定裁判勝訴 [道標 Guideboard]
キーワード 中原利郎医師、小児科医、過労死、自殺、労働基準法、労災認定、労働災害 [続きを読む]

受信: 2007年3月15日 (木) 08時52分

» [Med][News]小児科医中原医師の過労死認定 [読影室の片隅から]
3月14日,故中原利郎医師の労災認定をめぐり行われていた行政裁判で, 故中原医師の労災を認定する判決が下されました。 今回の裁判までの道のりについては 「小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会」のHPに詳細が掲載されています。 さらに支援する会では裁判終... [続きを読む]

受信: 2007年3月15日 (木) 12時44分

» 小児科医自殺、過労が原因の労災と認定 [サイバーキッズクリニック]
今回は、『小児科医の過労死』 についての裁判の記事である。 詳細は、『小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会』 参照。  ↓ クリックで救える命もあります。クリック宜しくお願い致します。    ... [続きを読む]

受信: 2007年3月15日 (木) 20時29分

» もうこれ以上医師を殺さないで [救急救命士たちの待機室]
もうこれ以上医師を殺さないでという記事を更新しました。新作記事です。 一昨日の東京地裁判決のニュースを見て書いた記事です。搬送先や実習先、メディカルコントロール、研修などで教壇に立っていただくなど、救急隊員は医師と関わることの多い職業です。救急医療の現場で病院前救護を担当する私たち救急隊、病院に搬送すればあとは医師の診察となる訳です。私たちの仕事は病院到着でひと段落します。 それを受け入れる医師側の現実…。もちろん救急隊は病院に勤務をしている訳ではありませんので深い部分までは分かりません... [続きを読む]

受信: 2007年3月16日 (金) 23時22分

« 気管支攣縮と食道挿管 | トップページ | 死を選択する権利... »