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2007年1月 6日 (土)

延命治療についての記事

2007年1月6日 曇り
寒風吹きすさぶ状況です。夜半には、九州でも雪になるところがありそうとのこと...。

延命治療とその中止については、これまでも多くの事件で問題となってきました。最近では富山県射水市民病院で終末期の患者さんの人工呼吸器を止めて7人以上の方が亡くなっているとのことが話題となり、殺人罪を含めた刑事訴追を検討されるとの事態が起こりました。一旦はじめた人工呼吸は現在の日本では「止めることが許されない」ものとなっています。

さて、某医療系掲示板からの記事です。ソースは共同通信。

「「誰も幸せにならない...」 延命治療、医師も苦悩 「自然な最期を」と妻子 (3) 」(共同通信 1月5日)

『首都圏の民間病院では約10年前、呼吸器を外した経験がある。重い脳出血で運ばれた60代の男性は、脳の損傷がひどく意識の回復は望めない状態。自発呼吸はわずかに残り、酸素の不足分を呼吸器が補っていた。病状説明を受けた妻は延命中止を望み、成人した子供たちも同じ意見だった。
 「呼吸器を外したら早晩亡くなりますよ」「自然な形でみとりたいんです」。主治医は家族と話し合い、希望を受け入れた。男性は約2週間自発呼吸を続け、死亡した。』

恐らく、脳幹部のみ僅かに生き残った状態で、いわゆる「植物状態」の患者さんであったと思われます。気管チューブを挿入しているか?気管切開を行ないチューブを入れておけば、舌根の沈下による気道閉塞もなく、人工呼吸器を外しても直ぐには死に至らない状況であったのではないかと考えます。
ここでは、患者さん本人の意思は確認できませんが、家族は人工呼吸器を止めることに同意しています。このようなケースで人工呼吸器を止めるのは許されることか?医師に法的な擁護があるのか?現状では「曖昧」です。しかし、実際にはこういった症例は数多くあり、全国の医師たちは「どのように対応すべきであるか?」悩み続けているのではないかと感じます。

『中部地方の公立病院の医師は「以前勤めた病院でも今いる病院でも、呼吸器を何度も外した」と打ち明ける。救急搬送されれば取りあえず呼吸器はつけるが、脳の機能回復が望めない患者や末期がんと判明した場合、家族が望めば外すという。
 「同僚や先輩医師が外すのも見たことがあるし、家族が泣いて頼んでも知らないふりをして延命を続ける医師もいるだろう。どちらもつらいし、ルールがない中でみんな悩んでいる」』

救急の現場では本人や家族の意思を確認することは不可能に近く、状態が悪ければ人工呼吸をはじめるのは仕方がないことです。現状では一旦付けた人工呼吸器を外し、それが原因で死に至った場合、医師は殺人罪を視野にいれて立件される恐れがあります。「家族がのぞめば外すという」ことは非常に危険な行為でないかと考えます。ルールを作ることは非常に難しいと思いますが...逃げてばかりで検討しない訳にはいきません。

『北陸地方の民間病院の医師は「植物状態になった場合に患者を支えなければならない家族の経済的状況も踏まえ、『あうんの呼吸』で家族の気持ちを察するのが医療従事者の大事な役割」と回答用紙につづった。』

『あうんの呼吸』で呼吸器を外した医師が、マスコミから虐待を受けました。気持ちを察して行動してあげたいのですが...自分の身のことを考えると、「できない」というのがホントのところではないでしょうか?

本日参照させていただいた記事です。

『「死期を引き延ばすだけの治療を続けても、誰も幸せにならないんですよ」。救命救急センターの全国調査に呼吸器外しを告白した医師の1人は、そう心境を語った。

 首都圏の民間病院では約10年前、呼吸器を外した経験がある。重い脳出血で運ばれた60代の男性は、脳の損傷がひどく意識の回復は望めない状態。自発呼吸はわずかに残り、酸素の不足分を呼吸器が補っていた。病状説明を受けた妻は延命中止を望み、成人した子供たちも同じ意見だった。

 「呼吸器を外したら早晩亡くなりますよ」「自然な形でみとりたいんです」。主治医は家族と話し合い、希望を受け入れた。男性は約2週間自発呼吸を続け、死亡した。

 その後は、刑事責任を追及する社会の動きもあり、呼吸器を外したことはない。「病院の都合で延命を続けるのはおかしい、と家族から迫られることもあるが、社会がそれを強いている」

 中部地方の公立病院の医師は「以前勤めた病院でも今いる病院でも、呼吸器を何度も外した」と打ち明ける。救急搬送されれば取りあえず呼吸器はつけるが、脳の機能回復が望めない患者や末期がんと判明した場合、家族が望めば外すという。

 「同僚や先輩医師が外すのも見たことがあるし、家族が泣いて頼んでも知らないふりをして延命を続ける医師もいるだろう。どちらもつらいし、ルールがない中でみんな悩んでいる」

 一方、呼吸器外しに踏み切れない医師からは「刑事被告人になるのを恐れ、日本中の医師が無益な延命治療をしている」との声も寄せられた。

 「呼吸器は外さないが、昇圧剤や点滴を最低限まで減らすことはある」という北陸地方の民間病院の医師は「植物状態になった場合に患者を支えなければならない家族の経済的状況も踏まえ、『あうんの呼吸』で家族の気持ちを察するのが医療従事者の大事な役割」と回答用紙につづった。』

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