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2006年9月28日 (木)

難しい選択...レス

2006年9月28日 晴れ
今日も清々しい一日でした。

拙ブログ:難しい選択には活発なコメントをいただきありがとうございました。

各方面から、この院長さんの言葉に賛否両論の御意見をいただきました。いろいろな見方があってよいものと思います。^ ^

この問題を整理しますと、まず、和歌山県南部に南和歌山医療センターと紀南病院という病院が約3kmの距離を挟んで設置されていました。昨今の産婦人科医不足により南和歌山医療センターの産婦人科医は集約化目的にて引き揚げとなりました。南和歌山医療センターには助産師さんが14人在籍していましたが、その助産師さんたちを活用して南和歌山医療センターに院内助産所を開設する。といったものであると考えます。

医療においては、なんでもそうですが...100%というのはありません。特に、分娩においては状態が急変することもあり、その場合、数分を争うような迅速な処置により、母児ともに助かる可能性があります。最近の医事訴訟の和解例をみますと、常位胎盤早期剥離で帝王切開まで40分かかったというのが、致命的な「遅れ」として認識されています。院内に産婦人科医が常駐しない状態で、突然分娩前あるいは分娩中の母体に、このようなことが起こったならばどうなるか?院内に産婦人科医が常駐する場合に比較して、当然ながら対応が遅れるのではないかと危惧します。私も、経験は少ないながらも、異常分娩に立ち会ったことがあり、その恐ろしさは身に沁みています。

では、どうすればよいのか?院内の助産助を開設せずに、この助産師さんを看護師さんとして働き続けていただくのが良かったのか?旧国立と社保の病院という設立母体の垣根を越えて、紀南病院に異動していただいてホントの意味での集約化を進めるのが良かったのか?この異動はホント大変だと思います。でも、ある産婦人科医のひとりごとの中では、産婦人科医の集約化に際して、この設立母体の高い垣根を越えて助産師さんまでを雇用し集約化することができたという例も挙げられています。通常、公務員である公立病院職員の採用年齢は20ウン才までと決められていますが、50才のベテラン助産師さんも含めて、すべて「正規採用」して異動していただいたとのことです。

ココから先は私見ですが。ある程度のキャリアを積んだ助産師さんは、このような異動ではある程度のメリットがないと動かないはずです。設立母体の垣根を越えるために、何らかの踏み台が必要なのではないかと考えます。そして、それは「南和歌山医療センターの院長が一人でできるものではないであろう」とも感じます。

さて、話は変わりますが...りんご さま、よりいただいたコメントの中で...

>集約化によりハード面ばかりにとらわれていますが、お産は医師のものでも助産師のものでもありませせん。何より産婦さん達自身のものです。ただ産ませればいいと言うわけにはいきません。子育て(人を育てる)ということに通じるその大切なイベントを産婦さんの支えになることが大切なのではないかと思います。

というフレーズがありました。

その通りです。助産師さんがお産につくのは、お産の総合的なマネージメントのためではないでしょうか?そしてそれは、助産所であっても、病院産婦人科の助産師さんであっても同様にできることではないかと感じますが...
病院産婦人科の助産師さんではできないことなのでしょうか?(病院産婦人科に入った助産師さんでは思い通りにできないということがあるかもしれませんが...)

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コメント

出産は人生の大きな出来事であり、もちろん母子、御家族のことを第一に考えて医療関係者が発言していると私は思っています。そう理解されないとしましたら、それは書き手(医師だけではなくプロたるマスコミも含みます)の表現の至らなさなのでしょう(管理人さんのことではありませんw)。

安全第一に考えていることは当然です。だからこそ集約化が現況に対応する比較的現実的な手段として進められているのだと理解しています。関連の記事や発言を読む限り、集約化の問題には医師、助産師、看護師の関係に微妙なものがあると感じます(産婦人科ではないので推測でしかありません)。ある助産師だけではなくもっと多くの助産師の意見も聴いてみたい。もっと多くの一般の方の意見が出てほしい。

管理人さんも仰っていますが、医師だけではなく、助産師も含めて適材適所で仕事ができるように各自治体を超えた連携を可能にする合議が早急に必要です。そこには助産師の意見も、りんごさんのような一般の方からの意見も同じくらい大切です。

投稿: 四半世紀勤務医 | 2006年9月29日 (金) 16時33分

こんばんは
四半世紀勤務医さま

お久しぶりです。ときどき、ブログの方にお邪魔させていただいております。

さて、コメントの中で
>医師だけではなく、助産師も含めて適材適所で仕事ができるように各自治体を超えた連携を可能にする合議が早急に必要です。そこには助産師の意見も、りんごさんのような一般の方からの意見も同じくらい大切です。

仰る通りと考えます。日本の周産期医療を取り巻く状況は刻一刻と変化しています。それに対応するためには、みんなで手を取り合い、知恵を絞っていかなければなりません。各病院の思惑も当然あることと思います。しかし、これからは地域全体で物事を見据える必要があると考えます。

貴重なコメントありがとうございました。

投稿: 管理人 | 2006年9月29日 (金) 21時07分

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