« ネフローゼ症候群_腎3 | トップページ | 当直です。 »

2006年9月10日 (日)

ある日のできごと2

2006年9月10日 雷雨
激しい雷雨が早朝より続きました。

一日更新できませんでした。


<以下の物語は実際の経験をもとにしておりますが、脚色が大幅に入っております。>
ある日のことを思い出します。土曜日でした。まだ、地域の輪番当番が始まる前の時期で...volunteerで土曜日の午前中のみ外来をしていました。

救急隊から電話。「◯歳児、●の浴室にて溺れた。現場では心肺停止状態で、心マ、人工呼吸しながら数分で着きます。」

救急室の雰囲気は一変します。挿管の準備...サイズは4.0か4.5mm、ルートはT1で準備。

搬入時も呼吸停止を確認。モニターを付けながら、挿管。駆けつけてくれた他科の医師に心マを指示。体は冷たい。ルートが確保できるまで、気管内にボスミン投与。

換気と心マを続けるが、モニター上は心マを止めるとflat。ルートが確保できたので、ボスミン静注、メイロン(メイロン:重炭酸ナトリウム。現在では蘇生の場ではほとんど用いられない。)静注。加温。こういった処置を繰り返します。

20分以上経って、モニター上flat。親御さんを入れて、状況を説明。「これだけの処置をしているが、蘇生できない。」「救命は難しい。」親御さんからは「蘇生を止めないでくれ。」との強い希望がありました。

それから、20分程度経過して、自発の心拍が確認され、徐々に自発呼吸が出現しました。強い障害が残る可能性もありますが、低体温療法などの脳保護療法ができる施設に搬送しました。

|

« ネフローゼ症候群_腎3 | トップページ | 当直です。 »

コメント

ご苦労様でした。まさに修羅場でしたね。ほぼ完璧な処置かと思いますが、老婆心に一点のみ心配な点があります。

蘇生処置が20分続いたところで「これは無理そうだ」と思われたのは当然かと思います。それを踏まえてムンテラされたのも別に不思議ではありません。

ところがその20分後に心拍と呼吸が戻っています。奇跡的にも思えますが、この事で我々医療者にとって不幸なことですが、ご家族から不信の念を抱かれる可能性が生じることです。

あくまでも可能性は僅かですが、この子供がさらに奇跡的に回復されたら、不信の念を強くして、謝罪請求ぐらいにはくるかもしれません。さすがに訴訟沙汰になる要因はありませんが、それはそれで気持ちの良い出来事ではありません。

最近の医療ではそんな事まで気を回さなければならないので疲れます。

投稿: Yosyan | 2006年9月10日 (日) 16時06分

子供ではたまにこうやって蘇生することがありますよね。心臓マッサージが功を奏して、頭は大丈夫なのに他の臓器不全で命を持って行かれたケースもあります。

普段はなんということもない救急外来もたまに大変なことがあると、当番に当たる前に憂鬱になりますね。おかげで当番中はどれだけ暇でも気が休まりません。

投稿: クーデルムーデル | 2006年9月11日 (月) 13時36分

こんばんは
Yosyanさま

コメントありがとうございます。

まったくおっしゃるとおりで、非常に難しい状況でした。(そのときは...)低体温があったことから、ひょっとするとintactで回復するかもしれないし、そうなって欲しいと願いましたが...

本児はやはり蘇生後脳症でいわゆる、高次脳機能が失われた状態となって、経管栄養となりました。私の判断がどうであったか??悩むところでもありますが...

現在も、当院には通院していただいています。一つだけこの児にとって良かったのは、御両親が現在の状態をすべて受け入れて、在宅でみてあげていることです。

御両親のそういった部分に尊敬の念を禁じえません。

投稿: 管理人 | 2006年9月11日 (月) 18時51分

クーデルムーデルさま

こんばんは
コメントありがとうございます。

<心臓マッサージが功を奏して、頭は大丈夫なのに他の臓器不全で命を持って行かれたケースもあります。

残念なケースでしたね...おそらく疲れがどっときたのでは?と思います。

このような、重症のケースは時々ありますね...intactに蘇生できるとホントに医者をやっててよかったと思えるのでしょうけど...

投稿: 管理人 | 2006年9月11日 (月) 19時00分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101068/11833105

この記事へのトラックバック一覧です: ある日のできごと2:

« ネフローゼ症候群_腎3 | トップページ | 当直です。 »