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2006年8月 6日 (日)

情報の不足

2006年8月6日 晴れ
昨日が地域の輪番だったため、今日はoffです。

マスコミに流れる記事は、意図的に情報を不足した状態で流されているのでしょうか?
まずは、この一件の中で尊い命を失われた、女性とその遺族の方々に対して哀悼の意を表します。

記事は病院で点滴後死亡 「医療ミス」と高砂市を提訴(神戸新聞)です。

『高砂市民病院で点滴治療を受けた同市内の主婦(59)が死亡したのは同病院が健康状態の把握を怠ったためとして、遺族が五日までに、病院を運営する高砂市に対し、総額約二千四百万円の損害賠償を求める訴えを神戸地裁姫路支部に起こした。
 訴状によると、主婦は今年二月十日、右足の人さし指が紫色にはれたため高砂市民病院に入院。点滴治療を受けたが、頭痛を訴えたため治療を中断した。その後、病院は健康状態を把握する検査をしないまま別の薬で点滴を再開したが、容体が急変し、検査でくも膜下出血が判明。加古川市の病院に移り手術を受けたが、同二十四日に死亡したとしている。
 原告側は「病院は副作用などを防ぐ措置を怠った。健康状態を把握する検査をせずに、薬を変えただけで点滴を再開したのは重大な過失がある」と主張。病院側は「弁護士と対応を協議しておらず、現段階ではコメントできない」としている。』

情報として足りないのは、1.どういう病気で右足の人差し指が腫れたのか?、2.それに対しどういう治療をおこなったのか?(具体的には点滴の内容)、3.頭痛はどういったものであったのか?(くも膜下出血を疑わなければならないような危険な頭痛であったのか?)、4.変更した治療薬は何であったか?(くも膜下出血を助長させるようなものであったか?)、5.容体が急変するまでの時間は?(頭痛と容体急変との間の因果関係はあるのか?)、6.この治療を受けなかった場合、右足の人差し指はどうなっていたと考えられるのか?、7.患者さんには何らかの基礎疾患がなかったのか?などが裁判では争点となると思いますが、記事には、これらの情報は含まれていません。

意図して省いているのでしょうか?この記事だけを読むと、医療側の過失だけが強調されているように感じます...。(被害妄想かもしれません...)

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コメント

謹んでTBさせて頂きました。今後ともよろしくお願いします。

投稿: Yosyan | 2006年8月 7日 (月) 13時45分

ブログを更新する際にトラックバックさせていただきました。先生のブログをこれからも楽しみにしております。

投稿: ちょっと知的なプータロー | 2006年8月 8日 (火) 07時35分

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» 念のためはどこまで必要か [新小児科医のつぶやき]
昨日の神戸新聞を読んでいると目に留まった記事です。 高砂市民病院で点滴治療を受けた同市内の主婦(59)が死亡したのは同病院が健康状態の把握を怠ったためとして、遺族が五日までに、病院を運営する高砂市に対し、総額約二千四百万円の損害賠償を求める訴えを神戸地裁... [続きを読む]

受信: 2006年8月 7日 (月) 13時41分

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