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2006年8月29日 (火)

助産師さんの問題...2

2006年8月29日 晴れ一時雨
比較的、公正公平な目で報道していると思われる社説です。

無資格助産 現実的な解決策が要る(中国新聞;社説)

『資格のない看護師らが助産行為をしていた疑いで、横浜市の産婦人科病院が警察の家宅捜索を受けた。背景には助産師の慢性的な人手不足があり、院長は「現状では必要悪だ」と言い切っている。
 どうすれば子どもが増えるか、みんなが知恵を絞っている時代である。違法行為の摘発に終わらせず、母子が安心できる出産環境づくりにつなげたい。
 看護師や准看護師が携わっていたのは「内診」。子宮口の開き具合などを触診して、出産の進行が正常かどうかを判断する。多くの病院は「診療の補助」として看護師に任せてきた。広島県内でも簡単な研修を経た「産科看護師」が内診をしている実態がある。
 しかし厚生労働省は保健師助産師看護師法で規定する「助産」にあたるとして、「助産師と医師以外は行ってはならない」と二〇〇二年と〇四年、各都道府県に通知している。異常があれば母子に大きな影響があり、対処には専門知識が必要だからだという。因果関係の有無は別として、無資格助産が絡む医療事故も起きている。
 捜索を受けた病院の院長は違法と知ったうえで、開業間もない一九六〇年ごろから看護師らに内診させていた。医師や助産師には限りがあるためという。厚労省の通知後、助産師を募集したが集まらなかったとし、「(無資格助産を)やめたら、明日から出産を断らなければならない。必要悪だ」と語っている。
 この問題では昨年の厚労省の検討会で、日本医師会や日本産婦人科医会の代表から「一定の条件で認めるべきだ」との意見が出た。「今回の事件で開業医が病院をやめてしまう恐れもある」と心配する声すら出ている。
 助産師として働く人は約二万六千人。資格を持ちながら働いていない人も二万六千人いる。結婚や子育てを機に辞めた人も多いだろう。医療機関は新たなコスト増を嫌う。どういう条件が整えば職場復帰を増やせるか研究してほしい。看護師が助産師免許を取りやすくする工夫もあっていい。
 厚労省も現状認識が実態とずれていたことを認め、全国の医療機関での助産の実態を調査する方針を明らかにした。
 子育て支援策をいくら施しても、出産現場が揺れていては元も子もない。助産師の発掘に加え、法の運用に再検討の余地はないか。母子の安全を第一に、現実に即した解決策を探りたい。』

助産師の資格を持っている方は5万2千人で、半分は資格をもちながら助産師として働いていない。これでは、現場での助産師さんは不足するでしょうね...やはり、助産師さんの養成数を増やすこと、助産師として働き続けやすい環境を作ることなどが必要となってくるでしょう...。

ただ、ここで気になることが...助産師さんがお産をとれば、看護師さんが助産をするよりもお産は安全となるのか?私は、数ヶ月程度新生児をやっていただけですが、胎児仮死や母体の危急事態では分単位の対応が求められるのを肌で感じていました。そして、それは緊急で帝王切開をするか?どうか?、輸血を行うかどうか?などの医師でないと決められない部分が絡みます。助産師さんが増えることは、それ自体よいことであるのは感覚的にわかるのですが....果たして、そのような緊急事態の対応まで助産師さんが増えることによって、良い面が表れるのでしょうか?

そう考えると、助産師だけでなく産科を支える方々全体の人員確保が必要になってくるのではないかと思われます。そして、助産師さんはやはり産科医の先生と緊密に連携して「安全なお産」を行うようにしないといけないのではないかと感じます。

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コメント

 毎日の全国版はまた医療畑でないコメンテーターをひっぱってきて電波を飛ばした記事を出していますね。現場の人間ではなく都合のいいコメントを出す人を選ぶなんて明確な悪意を感じます。末期的症状です。

 横浜市では他の病院も査察が入ったようだし、もう崩壊は確定でしょう。あとは他がどうなるか。

 しかし看護師の内診が理由で堀病院から助産院に転院するのは、安全面からいったら本末転倒だと思うのですが。緊急事態に何もできないことはなぜ報道しないのでしょう。

投稿: 医療って | 2006年8月30日 (水) 11時20分

この社説を書いた人はやはり医療関係者なのでしょうかね?
でも、すべて同意です。
批判はあってもいいですが、先につながる論評は、読んでいて納得させられます。

投稿: yuchan | 2006年8月30日 (水) 13時07分

わたしは新生児科医ですからたくさんの産科と関わってきましたが、大事なのは助産師がいるいないではありません。やはり院長のお産にたいする考え方が大事です。お産など医師の仕事ではなく助産師に任せておけばよいと言う考えのDrもたくさん見てきました。そんな産科ではよくないことが多かったですね。地元の新生児科医から伝え聞くところでは、堀院長はそういう人物ではないようです。
現実に即した法整備を進めるとともに、助産師のあり方について議論したらどうでしょうか。昔の産婆さんは現代には必要ないのですから。

投稿: 小児がんと生きること管理人 | 2006年8月30日 (水) 18時03分

私は、自宅で、産婆さんの手により、生まれました。現在の産婦人科の状況はよくわかりませんが、本来、出産は病気ではないはず。

確かに、病院管理により、乳幼児の死亡は減らせるとは思いますが、何でもかんでも病院というのは、ひっかかります。

産婆さんに若干医師の再教育を施して、ひとり立ちさせるのも必要かなと思います。役割分担すればいいじゃないですか。

投稿: 流風 | 2006年8月30日 (水) 18時42分

助産院で産むことに関するリスクは毎日新聞も開示してくれませんからねえ。流風さん、自宅で分娩するならば1950年代並みの母体死亡率と新生児死亡率を覚悟していただかないといけません。自宅でできるレベルはその時代からあまり変わっていません。急変したらおもむろに救急車を呼んで医者のいるところまで送る、その間に貴重な時間は失われるんです。産科の異常が起きる時はたいてい寸刻を争います。50年前並みの危険を今の妊産婦が許容してくれるでしょうか。

投稿: 山口(産婦人科) | 2006年8月30日 (水) 21時20分

こんばんは

多くの皆様にコメントをいただきありがとうございました。コメントに対する返答を返すにあたっては、コメント欄では、やはり読みづらい状態となりがちですので...次の記事の中に返答をさせていただきたいと思います。

投稿: befu | 2006年8月30日 (水) 21時22分

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昨日は産婦人科というエントリーで「堀病院」事件に関連して考えるべきこととして産科 [続きを読む]

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