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2006年8月30日 (水)

ある日のできごと

<実際の経験をもとにしたフィクションです。>
みんな寝静まっている午前4時。耳元の携帯電話が病院からの着信音をたてています。
私は、寝ぼけていて、奥さんが電話をとりました。「病院から」とのこと....

電話をかわると、切迫した看護師さんの声が聞こえてきました。
「◯時間前からけいれんしている。顔色不良で、酸素投与下でもSatO2が80台です。」
「当直医の先生がみていますが、このまま中央の病院に送ろうかと...」

目が覚めました。
「ちょっと、待って。処置してからでないと、搬送は危ない...今行きます。」

車で病院まで5分。到着時も、けいれんは持続しており、酸素5リットル/分マスクにてSatO2は90%程度。顔色は不良でした。体温は38.1℃、以前にもけいれん重積で気管内挿管の既往がある様です。特に、抗けいれん薬の内服はおこなわれていません。◯歳児。

まずは、セルシン0.5ml静注。これで、ほとんどけいれんは止まりかけましたが、呼吸が弱く、レサシバッグにて少し呼吸を補助します。このスキに、血ガス。pH 7.06, pO2 447, pCO2 84, BE -7.7、アシドーシスがありCO2も貯留。呼吸は弱く、意識は戻っていません。

「挿管します。」
チューブはちょっと迷ったのですが4.5mm。口は若干固く、何とかこじあけて、喉頭蓋とその先の声門を確認しながら挿入。左右の胸の呼吸音とチューブ内の蒸気の上下を確認。ブリッジを使用して固定。バイトブロック使用しました。

ここで、再び右上肢に間代性けいれんみられました。アレビアチン100mg静注、引き続き生食20mlにてフラッシュ。少し待ちましたが、けいれん止まらず、気管支喘息の既往のないことを確認し、イソゾール20mg静注。けいれんはとまりました。このスキに、胸部レントゲンと頭部CT。レントゲンでは、チューブの位置は適正でした。頭部CTでは明らかな頭蓋内出血や、著しい脳浮腫はみられませんでした。

意識はもどらず(というか鎮静されている)、呼吸も弱いので呼吸管理が必要と判断。後方病院に連絡、付き添いの上、搬送しました。(午前6時)

処置を手伝い、病院に帰ってきたのは午前8時15分...もう、始業時間です。(悲)
ある日の出来事でした...

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コメント

この日が特別という訳ではないのですね、、、お疲れ様です。いつもbefu先生を応援しております。また今回搬送された四歳児が元気になりますように。

投稿: 白神 | 2006年8月31日 (木) 00時29分

お疲れ様です。救急では至極当たり前のように繰り返される光景ですが、2時間前から痙攣というのは?どちらかで診ていた後なのでしょうか。

投稿: クーデルムーデル | 2006年8月31日 (木) 08時17分

こんにちは
白神さま

応援していただいてありがとうございます。^ ^

こういったことは、毎日あるわけではありません。(幸いなことに...)年に数回であろうと思います。


ちなみに、この患者さんは後方病院到着時にはほぼ覚醒しており、人工呼吸も数時間で終了できたようです。

投稿: 管理人 | 2006年8月31日 (木) 13時11分

クーデルムーデルさま
こんにちは

<2時間前から痙攣というのは?
さすがに鋭いですね。これが一番の問題点です。

個人情報が絡んできますので、多くは語れませんが...いなかにおける、epilepsyに対する偏見が絡んできています。

一方では、Neglectとも、とらえることができるかもしれません。今後は、児相との協調も必要と考えています。

投稿: 管理人 | 2006年8月31日 (木) 13時25分

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