都会での小児医療の崩壊
2006年8月7日 晴れ
結構な猛暑です。盆が近づき、県外の帰省客の受診が増加しています。
さて、都市部でも小児医療は崩壊してきているようです。
山口大、小児科医派遣打ち切り(中国新聞)
『山口大医学部(宇部市)は、山口県厚生農協連合会が経営する柳井市の周東総合病院への小児科医の派遣を来春で打ち切る方針を固めた。大学の医局で小児科医を確保するのが難しいため。病院側は小児科医を公募すると同時に、周辺に小児科の二十四時間態勢の診療機関がなくなるとして、地元の医師会や行政に協力を求め、夜間診療施設の開設を早急に検討する。
山口大医学部付属病院には小児科医九人が所属。八年前に比べて六人減った。特に、この三年間で新たに迎えたのは一人だけ。小児科は三十九床あり、小児科長の古川漸教授は「付属病院の患者を診療するだけでも大変。派遣は続けたいが、対応できない状態」と強調する。
今年五月、三十年間続けてきた小児科医の派遣を打ち切ると病院側に連絡した。
同病院によると、小児科には現在、山口大からの医師二人が常勤している。うち一人は来年三月に退職し、下関市で開業する予定。一人では夜間救急の対応はできなくなる。
柳井市と山口県周防大島町、熊毛郡内のエリアで、二十四時間態勢の小児科は同病院だけ。圏域人口は約九万人。小児科への休日や夜間外来は月に二百四十人前後で、うち二十人前後が入院している、という。二〇〇五年度の入院患者数は五百二十七人。地域別では柳井市二百五人、同県田布施町百十一人、同県平生町八十四人、周防大島町五十人などだった。
夜間救急対応ができなくなれば、圏域住民は車で一時間程度かかる岩国市か周南市に向かわざるを得なくなる。周東総合病院の守田知明病院長は「地域医療を守るため、小児科の夜間救急は続けたい。そのためには医師会や開業医、行政の協力が欠かせない」と訴えている。』
小児救急を担当する病院の小児科が閉鎖されるという記事です。527人/年の入院患者さんを診ているので、これは大変な損失であると思いますが、「よくも2人という人数でこれだけの数を診ていたな...」というのが率直な感想です。恐らく、寝る暇もなくて...仕方なく、辞める道を選んでいったのではないかと....
特に、病院での仕事を続ける小児科医は減少している様です。小児科医の仕事がもう少し魅力的になるような政策を厚生労働省には期待するのみです...(悲)
こちらは、県立こども病院の独立法人化が決まった、静岡からです。
静岡市:平日夜間の小児2次救急医療、2病院から1病院に−−来月から /静岡(毎日新聞)
『 静岡市は来月1日から、平日夜間の重症の子どもの治療を行う「小児2次救急医療」体制を現在の2病院から1病院に縮小する。小児科医不足により小児科医の過酷な労働実態が背景にあり、市保健衛生総務課では「小児医療救急体制を維持するためのやむを得ない措置」と話している。
現在の体制は旧静岡市で5病院、旧清水市で3病院がそれぞれ当番制をとる2病院体制だった。しかし、8病院の常勤小児科医の人数は03年度の43人から05年度の40人に減少。人数不足により、昼間の診療から夜間の救急当番まで最長36時間連続勤務になるなど過酷な労働状況が生じ、「このままでは医師が倒れてしまう」(同課)と縮小を決めた。対象は平日のみで、土・日・祝日、年末年始の2次救急は従来通りの2病院体制を継続するという。』
「人数不足により、最長36時間連続勤務になる」ということですが..恐らく、人数不足になる以前から多分、36時間勤務ではないかと思います。都市部もギリギリの状態でやってます。小児医療の体制を整備したいのであれば、小児科医を増やすことが必要です。繰り返しになるかもしれませんが、若い医師たちが小児科を志しやすい環境を整えることが必要と思います。厚生労働省には重ねて環境の整備をお願いする次第です...。
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コメント
柳井市が都市部かどうかってのは大いに議論の余地のあるところです。(いちおう市ではありますが)
投稿: 柳井市出身者 | 2006年8月 8日 (火) 00時42分
都市部ではないのですね...^ ^;
投稿: befu | 2006年8月 8日 (火) 09時10分
柳井市は平成18年7月末日で人口36,586人の地方都市です。36,586人と言うと厚生労働省が国会答弁で明言した「人口5万人以下の自治体では、現在の医療水準の維持は難しい」と答えた規模にあたります。
規模だけで言えば、見捨てられる水準の地方小都市に該当するかと思います。
投稿: Yosyan | 2006年8月 8日 (火) 10時53分
こんばんは
Yosyan先生
いつも適切なコメントをありがとうございます。この人口をみると、うちとほぼ同じ規模のようですね。
投稿: befu | 2006年8月 8日 (火) 22時42分