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2006年8月 3日 (木)

小児における心肺蘇生_1

2006年8月3日 晴れ
猛暑です。昨日施行した腎生検の患者さんは特に大きな合併症なく経過しています。

さて、以前より触れてみたかった、「小児の心肺蘇生」について少しづつ書き留めていこうと思います。AHA: American Heart Association, アメリカ心臓学会がガイドラインを出しています。最近では2000年と2005年にガイドラインの改訂があり、この中にも小児の心肺蘇生について触れられています。

日本ACLS協会HPより...
「BLSはBasic Life Supportの略で、一次救命処置と訳されるのに対して、ACLSはAdvanced Cardiovascular Life Supportの略で、日本語では二次救命処置と翻訳されます。BLSは人工呼吸、心臓マッサージによる心肺蘇生法からはじまりましたが近年は除細動までもその範疇に入るようになりました。ACLSは気管挿管、薬剤投与といった高度な心肺蘇生法を示しますが、心停止時のみならず重症不整脈、急性冠症候群、急性虚血性脳卒中の初期治療までを網羅したものへと進歩してきています。」

AED: Automated external defibrillater自動体外式除細動器という言葉を聞いたことがあると思います。成人のCPA: Cardiopulmonary arrest心肺停止はその多くが心臓由来で、かなりの割合がVF: Ventricular fibrillation心室細動という心臓の筋肉がバラバラに収縮して血液を送り出せなくなる致死的な不整脈によるとされています。これには、一刻も早く電気的除細動といって心臓に直流の電気を一瞬だけ流して(いわゆるDC-shockというやつです。)心臓の筋肉を正常な動きに戻してやることが必要です。そして、それも素早く行わないと蘇生できる率が急激に低下するため、一般の方々でも使いやすい、電極を指定の位置に貼って、スイッチを押せば器械が自動的に「これはVFだ。」と判断して電気を流してくれるAEDが普及してきたのです。北米ではこのAEDの普及により、心臓由来のCPAの蘇生率が非常に高くなったところもある様です。AEDの使用は、既にBLS: Basic life support一時救命処置の流れの中に組み込まれてきており、いろいろなところに備え付けられるようになりました。

ここまでは、成人の話ですが....今度は小児の場合です。以下は私が実際に心肺蘇生の講義を看護師さんなどにする場合に使っている資料の中の一文です。

「一方、小児における心肺停止は心臓以外の原因によることが多い。(SIDS、溺水、窒息、中毒、外傷、重度の喘息、肺炎などが主な原因となる。)」
「低酸素血症、高CO2血症が進行し徐脈や呼吸停止となり心停止に至るメカニズム。除細動は効果的でないことが多い。かわりに、人工呼吸、心マで蘇生できる可能性あり」

ということで、成人とは違ったアプローチが必要です。

まとめますと、成人の心肺停止では心臓由来のものが多く、VF:心室細動の絡んだものが多い。これには除細動が有効で、一時救命処置にもAEDの使用が組み込まれている。これに対し、小児では心臓由来は少なく除細動が効果的でないことが多い。そのため、気道確保や人工呼吸、心臓マッサージなどの必要性が高い。ということになると思います。

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投稿: Relief | 2006年8月 4日 (金) 17時14分

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