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2006年5月14日 (日)

隠岐の産科について(続き)

2006年5月14日 曇りのち晴れ
昨日に引き続き隠岐の件です。NEJMの「アメリカにおける医療訴訟の現状」の文献は明日以降とします...。

隠岐の産科の件は一応の決着をみたようです。→隠岐病院、11月から複数医師赴任

「島根県隠岐の島町の隠岐病院が、常勤の産婦人科医師を確保できず院内出産への対応を断念した問題で、同病院を運営する隠岐広域連合(連合長・松田和久隠岐の島町長)は十三日、十一月から複数の常勤医師の派遣を受けられるめどが立った、と発表した。島根県が新たに医師を確保したためで、島内での出産が再開できる見通しとなった。

 県や同連合によると、赴任の内諾を得たのは県外の医師。離島での一人体制では医師の負担が大きく、複数体制の構築が課題だったが、県が医師を確保できたことで県立中央病院(出雲市)が支援体制を組めるようになった。同病院からの派遣も加え、二人体制での常駐を想定している。」

とのことです。62歳の医師一人での派遣よりは一歩前進したかもしれませんが、産科婦人科学会の提言の中では「集約化を進め、1施設あたり3人以上とするのが望ましい」ということですが...2人です。でも、これが現時点での精一杯の線なのでしょうね...

この記事の解説の部分で、地域医療機関への医師派遣の役割を持つ島根大学に「医局」人事でなく、「大学」人事としての医師派遣を一貫して求めた。と受け取れる記述がありますが...これは、ちょっと妙な感覚を受けます。

大学は医師を養成する機関ですが...その所在地の自治体に医師を派遣しなければならないという義務はないはずです。(それがあれば、こんなに医師の偏在が問題になっていないと思いますが....)そして、それを行うのであれば、入学時に「あなたは、卒業後、島根大学の医局に属し、なおかつ県内の医療機関で働く事」という契約書を作らなければ、重大な人権侵害になるのではないかと....思います。

また、新聞記事からは読み取りにくい、この地域の医療をとりまく事情が本件に大きく影響しているのではないか?と考えます。「拙ブログ記事:隠岐の産科についてのコメント」

話を戻しますが、この隠岐問題は2名の複数体制を構築する事で、一応の決着をみようとしています。しかし、基本的な目標(産科婦人科学会の提言)には届いていません。そして、地域を支える産科医師が減少しているという問題には何ら解決をもたらすものではありません。日本の周産期医療の現場が健全化することを願ってやみません。

追記です。 ある産婦人科医のひとりごとの記事にも参考になる御意見があります。

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コメント

一人が二人になっても、片方が当直の日は
もう一人はオン・コールで、緊急カイザーなんかの
時には呼ばれるわけですから、事実上365日拘束です。
問題解決にはなってないんじゃないかなあ。

隠岐はドクター・ヘリが飛ばせるみたいですから、
一人体制で夜間のカイザーはヘリで島根へ・・・
というパターンのほうが、産科医師の負担は
むしろ軽いのかな、とも思いますが。

投稿: 開業整形外科医 | 2006年5月16日 (火) 10時39分

こんにちは
開業整形外科医さま

コメントありがとうございました。

<もう一人はオン・コールで、緊急カイザーなんかの時には呼ばれるわけですから、事実上365日拘束です。問題解決にはなってないんじゃないかなあ。

仰るとおりと思います。3人以上でないと、休むことはできないと思います。産科婦人科学会の提言も『3人以上』となっているのは、多分そこからきているものと考えます。

<隠岐はドクター・ヘリが飛ばせるみたいですから、一人体制で夜間のカイザーはヘリで島根へ・・・

そうですね、ただヘリは天候により左右されますので...その部分が、離島の医療を考える上で重要なポイントとなりますね。

投稿: befu | 2006年5月16日 (火) 11時42分

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