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2006年5月22日 (月)

小児科の救急診療

2006年5月22日 晴れのち雨
昨日に続き、病院は結構な大忙しでした。日勤帯では、久しぶりに腸重積の児がきて、何とか空気整復で整復できました。外来は6時30分までかかりましたが、病棟でカルテを記載していると、全館にコードブルー(緊急呼び出し放送)で救急室へ、くも膜下出血の患者さんと、脳内出血の患者さんが続いて搬入されたようでした。どちらも、意識状態が悪く気道確保の上、脳外科のある施設に搬送1例、当院で保存的に...1例。

話は変わりますが、南日本新聞に鹿児島市夜間急病センターの記事が...

『運営する同市医師会によると、4月の利用者総数は2089人で昨年4月の1487人に比べ4割増えた。新設の外科が213人、内科は549人(前年411人)、小児科1223人(同1055人)。市外からの患者も多いという。』夜間診療で多くみえるのが、小児の患者さんですが、この統計でも半分以上が小児患者さんです。

『一方、小児科は患者の増加が問題になりそうだ。同科には特に休日、患者が押し寄せる。4月の最高は1日99人。連休中の5月4日は137人にのぼり、待ち時間は最長2時間近くに及んだという。同日担当した太原博史医師は「初めて診る子には、普段の状態や病歴など問診が多く慎重になる。時間がかかり、早急な診察や措置が必要な子には気の毒」。』一人の担当医でこの数を診ているのか?が疑問ですが...かなりのハードさです。私も、地域の輪番で、冬期の休みに日勤帯の外来をする事がありますが、これほどの数にはなりません。この位の数になると、重症、非重症をキチンと短時間で分別できる技量がないと危険ですし、最低限の応急処置をできる能力が必要と思われます。

『微熱での受診、平日には仕事を抱える親が昼に時間を取れず、連れてくるケースもあるという。同医師は「利便性だけが浸透し、夜間診療所化してしまった。本来の目的である急患対応が遅れかねない」と懸念する。』これは、夜間診療を行っている施設はどこも同じ悩みを抱えているのだと思います。ここまで、核家族化が進行し、育児について祖父母の貴重な援助も得られないとなると、育児不安から夜間にも受診する数が増えるのであろうと考えます。また、両親共働きで仕事を休めず、その時間帯しか医療施設に連れて行けないという方もいる様ですが...こういった要望に応えていくためには、いまのような青色吐息状態の小児科医療では追いつかず、小児科を支える人間が増えなければならないように思います。

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コメント

医師会運営の夜間休日診療所ですか。美談ではあるでしょうが、記事に書いてあるとおりの患者数では、診察している医者のほうが持ちません。なんと言っても開業医の平均年齢は高いですからね。

それにしても記事が心配しているのは、軽症患者が多すぎて本来の救急患者の診察が遅れることを懸念しているだけで、働いている医者が倒れる心配をしていないのには、いつもながら笑ってしまいます。

医者がこの業務に疲弊する可能性は記者の頭の端にも無いようです。対策は何もしないと市役所も明言しているようですから、この救急体制自体が崩壊しないように祈るばかりです。

自分たちが寄ってたかって便利使いし、医者の使命感が燃え尽きて施設が消滅するまで、そんな心配は誰もしないようですね。

投稿: Yosyan | 2006年5月23日 (火) 18時31分

こんばんは
Yosyan先生

コメントありがとうございました。

数をみて、『これは自分ではできない』と感じましたね...。数人で診るような体制をとるような資金も人員もないでしょうから...ほんと、心配です。

投稿: befu | 2006年5月23日 (火) 21時41分

この記事を見て、改めて小児科医師の待遇の悪さを感じました。
母親でもあり、医療者でもある私から見てこの先日本の小児科医はどうなってしまうのだろうと不安に思いました。
日本の未来を考えるのなら、「子供最優先、ましてやその大切な子供を診察する医師をサポートしなくてどうする!」と日本社会全体に疑問を感じます。

投稿: ERI | 2006年5月25日 (木) 23時11分

こんばんは
ERIさま

<この記事を見て、改めて小児科医師の待遇の悪さを感じました。

そうですね...数が増えて、負荷を分散できるようになることが必要と思います。そのためには、いろいろな面から国全体でサポートしていただく必要があると思っています。

投稿: befu | 2006年5月26日 (金) 01時05分

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