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2006年4月10日 (月)

乳幼児の頭部外傷

2006年4月10日 雨 結構土砂降り
この雨で桜は全部散ってしまいそうです。

昨日は久しぶりに学会に出れました。その中の演題で少し目にとまったものとして...
乳幼児の頭部外傷について集めたものがありました。

記憶だけの話なので、詳細は省きますが...
年齢により3群にグループを分け、(確か、10ヶ月ごろ、1歳半、3歳半以上の3群)それぞれのグループで頭蓋内(つまり頭の中)に出血等の病変があると思わせる症状(嘔吐や意識障害)の有無と実際のCTでの所見(出血の有無や骨折など)を評価していました。

その中で、「年齢が低くなるほど、症状がないのにCT上所見がある例が多かった。」ということを強調されていました。つまり、1歳前の乳児などでは、頭部を打撲した時には、それ以上の年齢の児よりも詳細に診る必要があって、CTを撮る必要性も高い。ということになると思います。

ただ、どの程度の打撲にCTを撮るべきか?これについては意見がありませんでした。乳児などでCTを撮る場合は鎮静(動かないように眠らせる事)を行う必要がある事が多く、これは一種の麻酔なので全く危険性がないとは言えません。また、CTによるレントゲン被曝の問題もありますが、これからは、乳児期の頭部打撲で「CTを撮る」と決めるレベルを下げようかと考えています。でも鎮静せずに撮れるものは撮るようにしようと思います。

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コメント

ベビーカーから落ちた、階段から転落した、ブランコから落ちたなどは外来に月に何件かはあります。たいていはどうみても元気なので、晩期出血のムンテラだけしっかりして家に帰していますが、これがCTルチーンとなれば大変です。

とは言うものの訴訟リスク(もちろん患児のため)を考えるとCTをしておいたほうが良いのでしょうが、時間帯により難しい時間帯も多々あります。

またうちは神戸なのでやろうと思えばできますが、地域によっては小児のCTが必ずしも即座に容易に検査できるとも限りません。

読みながら唸ってしまいました。

投稿: Yosyan | 2006年4月11日 (火) 13時59分

こんにちは
Yosyanさま

そうですね。どこで、線引きして、この患者さんは撮る、こちらは撮らないとするかですね。

学会でも、その部分は突っ込まれていましたが、明確な答えはなかったです。

この演題を出したのは、わたしが頼りにしている3次病院の小児科でしたので、『症例は濃縮されている』といわれており、私などがおこなっている1次の小児科外来と症例の質においてバイアスがかかっているのかもしれません。

一律に、全部撮りましょうというのは難しいと思います。頭蓋内の病変を思わせる症状でひっかけていましたが、もしかすると、新生児、乳児の『not doing well』のような、わずかなサインが決め手となるのかな?などとも思っております。(あくまで私見です...)

投稿: befu | 2006年4月11日 (火) 18時06分

現在追っかけているブログのテーマはどうしても医療訴訟がからんでいますし、本音で言うと私が「おそらく心配ない」と検査もせずに帰したものの中に、晩期出血が1例でもあれば、少なくとも民事は負けそうな予感がします。

「受診時でもCTで見つかった可能性があり、検査を怠ったのは注意義務違反である」とかなんとかで。最近の訴訟例を見ると背筋が寒くなります。裁判一つで負けたら論外、勝っても勝つまでの間の噂で弱小診療所は潰れますからね。

とはいえなんでも脳外に押し付けるのは、典型的な防衛医療です。しかしこのままでは診療所にもCTを完備する必要がある時代になるかもしれません。うちは置くとこありませんし、もちろん費用も・・・。

投稿: Yosyan | 2006年4月11日 (火) 19時03分

厳しい時代となりました。
そして、医療費削減に走っている厚生労働省は多分、全例にCTなどとは絶対に許さないでしょうね...

『頭部打撲でこういった症例はぜひ撮るべきだ』というような基準ができればいいのですが...

そういった、基準を示してくれる組織ができるといいですね。

投稿: befu | 2006年4月11日 (火) 22時17分

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